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2月8日(水)第2回 おんなもいろいろ@高田馬場ばばん場

遊かり「改作・権助提灯」
※本妻や妾と交渉するのは旦那ではなく、飯炊きの権助。彼女の権助はよくあるように殊更に田舎言葉を強調せず、ごく自然な感じで演じている。それでいて、素朴さを失わない。
 それにしても、ここに登場する女性達の何と伸びやかな事よ。主人を追い出し、芝居や酒を楽しむ。古典落語を壊さずに女性として人生を楽しむ事を謳い上げた逸品である。もう男なんていらない⁉
つる子「高尾目線から見た紺屋高尾」
※先日、日本橋社会教育会館でのネタ下ろしを聴き、2月22日には赤坂でも聴く予定なので、ここでは1つだけ。高尾太夫とタマキ。後半で二人とも男からの裏切りを受ける。高尾は言い交わしていたはずの若様が他の女と婚約してしまう。タマキは身請けされるはずだった新さんに逃げられる。高尾はそれでも生きる道を選び、タマキは自死する。どちらがいい悪いではない。生きる事の困難に直面した時、苦しい生を選ぶか、死を以て終わらせるか。

死ぬは易くて 生きるは難しと

とサザンオールスターズの原由子(「唐人物語『ラシャメンのうた』」)は歌ったが、死んだ者の想いを背負いながら、私は生きていくしかないのだ。
 
ー仲入りー
遊かり「女達の宮戸川」
※落語「宮戸川」のあらすじを紹介し、
「そんな事ありますぅ?」
 そんな疑問がこの改作の出発点となっているようだ。
 宮戸川で半七とお花が「嬉しい仲」となったのは、母親とばあやによる策略であったという陰謀史観(⁉)
に基づく一席。こう考えれば、お花の行動にも腑が落ちる。
 つる子&遊かり「トーク」
  お二人とも「宮戸川」のキャラには疑問を抱いていたようだ。遊かりさんの「家を守る」事は男側の論理に見えるが、大事な娘を嫁入りさせる事で娘を幸せにする…当時は女が幸せになる道でもあったのだ、という考え方はナルホドと思った。
 「高尾目線から見た紺屋高尾」については、遊かりさんの「花魁は身を売っている。そんな彼女たちを支えていたのはプライドだ」という発言に感心した。
  今回は既存の古典落語を別の視点から作り直した一席であったが、お二人ともオリジナル通りの落語もやっていくそうだ。別の視点からの落語をする事によって、もともとの落語に対する理解も深まるという。


 

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