3月2日(土)第28回 銀柳亭寄席 林家つる子&三遊亭わん丈 二人会(DAIKANYAMA GARAGE)
食事を楽しみながらの落語会。主役はこの春に抜擢で真打になるふたりである。
つる子 やかん
八五郎と彼を「愚者」と呼ぶご隠居の不毛な会話。
嫁入りや奥さんの由来、「クジラは缶詰類」などは入るが、「いい塩梅のお天気」や浅草の観音様の話はない。彼女なりの取捨選択であろう。全部入れりゃあいいってもんじゃない。
やかんのくだりからでたらめ講釈が入る。扇子でひざを叩きながら、笑いを叩き出す。
わん丈 五貫裁き
立川談志師の得意ネタである。
大岡様によるお調べの前におしゃべりが入る。中マクラといったところか。
八五郎が夜が明ける前に徳力屋に一文を届ける奇妙な攻防戦。こんなお裁きを大岡越前守忠相がするはずがないが、無性に楽しい。
談志師はサゲで徳力屋を潰してしまったが、善行に目覚めた徳力屋万右衛門が、その後も店を繁盛させたというのが本来である。わん丈さんもそれを踏襲した。
ー仲入りー
わん丈 お裁きした〜い
大岡越前守忠相と夫婦になった花魁が、夫婦げんかの末に夫に代わって奉行職を代行することになる。3件のお裁きをスピーディーにこなし、役人から感心される。擬古典に分類されるだろう。
つる子 おかみさん目線の芝浜
今年に入ってこのネタが良くかけられるのは、いよいよ今月21日に迫った真打昇進披露興行の備えてだろう。寄席のトリサイズに収めながらも内容の濃さは変わらない。
魚勝が更生できたの理由は女房・おみつの愛情だけではない。大家やイワタのご隠居などの多大なる助力のお陰である。だから宴の席に大家を呼び忘れる事などゆめゆめあってはならない。
終演後、お楽しみ抽選会の後、スポンサーからふたりに屏風が贈られた。
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