9月8日(日)謝楽祭寄席2024第三部 春の新真打落語会(湯島天神 参集殿)
開演前に林家正蔵・つる子が登場し、本来は前座が叩く二番太鼓を師弟で叩く。ひとしきり叩いた後、師匠が「アンコール!アンコール!」弟子は爆笑し、戸惑いつつ、再びバチを握る。それでも息はぴったり。手の動きもほとんど同じ。さわやかな風を残して、二人は去る。
定刻になり、再び正蔵師が登場し、世界一贅沢な前説。
今、ふたりとも調子に乗っています。わん丈君は「オレは面白いだろう?」つる子は「アタシってキレイでしょ?」今日は、ふたりの鼻っ柱をへし折ってやって下さい。
わん丈 つぼ算
高座に上がるなり、
(師匠の)天どんは何をやってるんだ?
冒頭に、女房がダンナを起こす場面が挿入される。『芝浜』か?軽いデジャブ。いや違う。ダンナは答える。「商いに出るのがこわいんだ」ここからは通常の『つぼ算』へ。大金持ちが羊を分ける計算法が登場するが、これは柳亭こみち師の『つぼ算』で、ネギシリツコが子ども達に「あめちゃん」を分ける計算法と同じだ。してみると、わん丈師は、こみち師にこの噺を習ったか?
サゲは
道具屋目線の『つぼ算』でございます
明らかに林家つる子を意識している。
高座返しとメクリをめくるのはナント入船亭扇辰!世界一贅沢な前座仕事。
つる子 お菊の皿
異例づくしの事ばかりが起きる謝楽祭に驚きつつ、楽しんでいるご様子。謝楽祭の後は移動し、浅草演芸ホールでトリをとる。タフだね。
外の寒さを忘れさせる怪談で会場を冷えさせる。あいかわらず、「つる子のお菊」はゾッとするほどの美しさ。その後の芝居がクサくなったお菊との落差がたまらなくおかしい。
つる子師の『お菊の皿』も今シーズンは最後か?ゆく夏を惜しみ、笑いながらもやがてせつなくなる。
扇辰師による後説を聴いた後、外へ出たら、まだ暑い。だが、閉会式まではここにいよう。