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4月3日(水)末廣亭上席夜の部 林家つる子・三遊亭わん丈真打昇進披露興行
小じか 酒の粕〜からぬけ
一花 子ほめ
「落語界にはカースト制度が残っておりまして、下から前座・二ツ目・真打・ご臨終…」
と言うが、インドのカーストは1度その身分に生まれたら上に上がったり、下に下がったりはしない。一生その身分のままである。真打制度はカーストと言うよりヒエラルキーと言ったほうが近いのではあるまいか?
ニックス 漫才
小せん 動物園
三三 たけのこ
ダーク広和 奇術
今日はトランプマジック。
彦いち 睨み合い
彦いち師が寄席でよくかける噺。思わせぶりな語り口に惹き込まれる。
正蔵 漫談
楽屋で「宝くじで6億当たったらどうする?」と聞く。
文蔵「代演に行かない」
彦いち「学校寄席に行かない」
歌武蔵「日本の落語家を全員呼んで、ごちそうをする」
正蔵「どこで? 」
歌武蔵「サイゼリヤ」
のだゆき 音楽パフォーマンス
鍵盤ハーモニカやリコーダーを演奏しての音楽小ネタ集。『パリの空の下』が良い。
市馬 粗忽の釘
某I之輔師と違って犬のペロは出てこない。本寸法の『粗忽の釘』。
ー仲入りー
(高座左より)【司会】三三・彦いち・さん喬・つる子・正蔵・市馬 口上
つる子師お得意の『反対俥』は彦いち師が教えた。
彦いち「とにかく走れ! マッドマックスになれ」
正蔵「はじめてつる子に会った時、なんておしとやかな! と思った。それがあんな『反対俥』を」
彦いち師ガックリ。
にゃん子・金魚 漫才
ゴリラのマネをする金魚さんにバナナを差し上げたのは私です。にゃん子さんに「お客さん、甘やかさないで下さいよー」と言われる。金魚さん、新宿高野のバナナを高座の上で1本完食。にゃん子さん曰く「バナナが似合う女だね」
わん丈 寄合酒
乾物屋は災難だが、思わぬサゲに。
さん喬 長短
短七と長さんの巧みな演じ分け。煙管の仕草など至芸を堪能する。
仙志郎・仙成 太神楽
つる子 中村仲蔵
稲荷下から這い上がった男の壮絶な芸の工夫をつる子師が美しくもユーモラスに描く。また、女房のお岸にもスポットがあてられている点は「女目線シリーズ」を手掛けてきた彼女らしい。
仲蔵が目につくお稲荷さんに願をかけるのはサゲにかかわるからである。
芸の工夫がつかず、入った蕎麦屋で味気なく蕎麦を1本1本すする仲蔵。つる子師は何かを食べたりのんだりする仕草がとてもかわいく、艶っぽい。食事に連れて行きたくなる。
『仮名手本忠臣蔵』の「五段目」。斧定九郎のその場面を鳴り物入りで演じる。
とっつぁんとっつぁん連れになろうか
この台詞回しがさん喬師っぽい。彼に稽古をつけてもらったか?
旅人からカネを奪い、
五十両〜
おそろしくも美しいつる子師にゾクゾクしてしまう。手ぬぐいをくわえながらの美しい所作にうっとりする。
客にウケなかったと勘違いし、上方に行こうとした仲蔵は思いがけずに客の賛辞を聞くことになる。呼び戻され、親方に褒められる。なんとか理由をつけて、家に帰った仲蔵は女房と喜びを分かち合う。中村仲蔵の心のアップダウンをつる子師が見事に口演した。そして、お岸にサゲを言わせ、内助の功を強調した。
今度は是非『お岸目線の中村仲蔵』を聴いてみたい。