10月21日(月)第4回 林家つる子・春風亭一花 二人会 ふたりの噺をたっぷり!(日本橋社会教育会館ホール)
つる子・一花 トーク
つる子師のもとに真打昇進の連絡があってから今日までいかに長かったか。三年くらいに感じたという。その間、体調を崩す時もあったが、つる子師を支えた習慣があった。それは、鼻うがい。メーカーはサイナス・リンス。
一花さんは10月26日(月)にNHK新人落語大賞決勝に出場する。審査員の柳家権太楼師から受けたアドヴァイスは、
上方に負けんなよ。
つる子 反対俥
つる子師もNHK新人落語大賞決勝に出場経験がある。その時の演目を披露する。
今日は彼女にとっての通常ヴァージョン。元気に何度もジャンプし、川に飛び込む場面では客席全体に手拍子の波が広がる。観客を誰一人として置いていかない参加型落語ここに極まれり。
一花 駆け込み寺
来秋真打昇進するダンナの金原亭馬久さんとの結婚前のエピソードをマクラに振る。結婚を前にキレイになろうとエステのブライダル駆け込みコースを申し込んだ一花さん。着替える際にエステティシャンから問われる。
普段からブラジャーをされていないのですか?
この一言をきっかけに汗と涙のバストアップ作戦が始まる。
『駆け込み寺』
この演目でNHK新人落語大賞決勝に挑戦する。しかも本番と同じサイズの11分での口演となる。
喧嘩ばかりしても愛しあう夫婦の情愛をテンポ良く描く。「惚れて惚れられて惚れられて惚れた仲」を繰り返すのがおかしい。
そういえば、「その晩、余計燃えるんです」のクダリがなかった。NHK用にカットしたか?
ー仲入りー
一花 粗忽の釘
この一席も夫婦の噺。粗忽な夫と彼に振り回される女房と近所の人達。
暑い日にたらいで行水する夫婦。フェーフェー言いながら洗いっこする様子を一花さんがカラッと演じる。健康なお色気。
おそらく兄弟子の一之輔師に習ったのだろう。
つる子 紺屋高尾
艶やかに女物の着物に着替えて演じる。
視線について。高尾と久蔵の後朝の別れの場面。高尾が久蔵をいたずらっぽくも艶っぽい視線で見ると、久蔵は視線をそらし目を泳がせる。だが、自分の素性と高尾への想いを打ち明ける場面あたりから、彼女にまっすぐな視線を投げ始める。それに応えて高尾も吉原が嘘ばかりの場所である事を話し、久蔵をまっすぐに見据える。嘘だらけのなか、久蔵の言葉の中に誠を見出したのだ。見つめ合う高尾と久蔵。やがて二人は愛し合う。
林家つる子の目が彼女と彼のまっすぐな想いを語っていたのだ。