映画「すべてうまくいきますように」@新宿武蔵野館
【ネタバレを含みます】
ソフィー·マルソーの美しさにハッとする。作中に水着姿で海を泳ぐシーンがあるが、見事なプロポーションである。今年57歳になるそうだが、鍛えているのだろう。
84歳の父アンドレ(アンドレ・デュソリエ)が倒れ、小説家のエマニュエル(ソフィー・マルソー)は妹のパスカル(ジェラルディーヌ・ペラス)と病院に駆けつける。脳梗塞であった。ベットから自分で起きあがることもできなくなった父はエマニュエルに「終わらせてほしい」と頼む。彼女は色々な人に相談した挙げ句、安楽死を支援する協会を訪ねる。
作中、アンドレとエマニュエルとパスカルが死の日取り(!)を決める場面がある。この日がいいという父にパスカルは「その週は私の誕生日よ」と難色を示す。父に誕生日を祝ってほしかったのか?ブラックジョークだろう。笑っても良かったのかな?
ラスト、エマニュエルに一本の電話がかかってくる。彼女は妹に「すべて順調にいった」ことを伝え、エンドロールとなる。ココで言う「順調に」いくとは父·アンドレの死を意味する。ここで「すべてうまくいきますように」というタイトルの意味が分かるのだが、なんて皮肉なタイトルなのだろう。
84歳で身体の自由を失った老人に「死ぬなんて考えちゃいけない」とか「生きてりゃいい事がある」などと励ますのは容易い。この映画でも、そんなことを言う御仁が登場する。だが、死に取り憑かれた人間にそんなことを言っても無意味である。それは私にも覚えのある事だ。だからといって、私は安楽死や尊厳死を肯定しているわけではない。この映画は私の心に重い鉛のようなものを沈めた。
何度も言う。ソフィー・マルソーが美しい。
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