7月23日(火)つる子の赤坂の夜は更けて(赤坂会館6階稽古場)
つる子 反対俥
3月以来、久しぶりの『赤坂の夜は更けて』。浅草演芸ホール9月上席夜の部におけるトリも決まり、平常モードに戻りつつ、つる子人気のものすごさを肌で感じる。
つる子師の代名詞とも言うべき爆笑篇。今日も元気にジャンプ! からのお客様を巻き込んでの手拍子に盛り上がりは最高潮に達する。つる子師の体力のある今だから、体感したい一席である。
つる子 ギター教室
銀杏亭魚折作。
『高崎ギター教室』を営むホテイのもとにある男がやってくる。3ヶ月後に結婚する彼はギターを習い、結婚式でサプライズ演奏したいと言う。曲は義父が好きなエルヴィス・プレスリー『監獄ロック』。教室に通うことが決まる。だが、彼が去った後、新婦とその父が次々とあらわれ、新郎と同じく式でギター演奏したいと言う。
結婚式における、まさかのサプライズ三重奏。それに翻弄されるホテイのマジメなキャラがいい。最後に『高崎ギター教室』を訪れる意外な人物。いいサゲだ。
ー仲入りー
つる子 おかみさん目線の子別れ
「つる子の挑戦」はここから始まった。
熊五郎に追い出され、親子ふたりでつましく暮らすお徳と亀。楽しい日もあればつらい日もある。そんなある日の夕まぐれ。亀が帰ってこない。心配し、近所を探し回るお徳。ようやく帰った来た亀だが、編み物の手伝いの最中、手から五十銭を落としてしまい…。
葬式の帰りに吉原へ入り浸り、朝帰りした熊五郎は、あろうことか妻に向かって、昨夜の敵娼(あいかた)の惚気話をする。あきれた妻と子供を追い出し、家に女郎を引き入れた旦那を許せるか許せないか。「つる子の子別れ」の主題はここにある。
魚屋の女房の助言をふまえて、お徳が出した答えは「許さない」。だが、熊の目に更生の色を見てとった彼女はヨリを戻すことを決める。
男女同権を声高に叫ぶのではないし、自分がオンナの代表になるのでもない。ただ、オトコにとっての「都合のいいオンナ」にはならない。「復縁」と言う結果は同じでも、オンナの意志をしっかり示す。林家つる子「女目線落語」の真骨頂がここにある。
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