3月27日(水)鈴本演芸場下席夜の部 寿真打昇進披露興行
一花 やかん
つる子さんも演るネタ。大初日は花ごめさんが演っていた。ニセ講釈も流暢に。
仙志郎・仙成 太神楽
天どん 釜どろ
このところ、古典に力を入れているのか?
おじいさんの妄想に林家つる子が登場する。
菊之丞 たいこ腹
ニックス 漫才
志ん陽 猫と金魚
馬風 ひばりメドレー
持ち歌の『かゑるの体操』の1番を歌ったあと、美空ひばりの名曲のさわりを歌いまくる。終わったと思ったらまた歌い、笑いを誘う。
市馬 やぶ医者
猫八 動物ものまね
ウグイスを鳴くまえに、
そんなに真剣にならなくても。
このパターンは久々かも。
三三 たけのこ
コロナ時代、東京都の「みどりのおばさん」の要請で寄席が2ヶ月休業した。再開後も、
「席は半分にしてくださいね」
「もともと半分も入らねえよ」
(拍手)
「これは何の拍手?」
三三ダークサイド。
ー仲入りー
(左より)【司会】三三・菊之丞・つる子・正蔵・市馬・馬風 口上
つる子師は女物の着物を着ている。トリはアレか?
菊之丞「(つる子師の)お母様はにぎやかで林家パー子のよう」
馬風「つる子から大初日には鰻弁当を頂いた。中日には(高崎名物の)だるま弁当を頂いた。こういう事はこれからも続けるように」
おなじみの馬風ドミノ。
三三「高座の上で死ねたら本望と言うが、こういう事じゃない」
市馬「正蔵一門に入ったおかげでしなくてもいい苦労をした」
正蔵「つる子は高女(群馬県立高崎女子高校)の出身。ここの卒業生は東大・京大・一橋大・お茶の水女子大など錚々たる大学へ進む。つる子はほどほどの中央大学へ進んだ」
二楽 紙切り
正蔵 一眼国
「お客様の中で見世物小屋に入った事がある人?では、出たことがある人?」
わん丈 毛氈芝居
わん丈師は珍しい噺をたくさん持っている。
橘之助 浮世節
『野崎』(桂文楽出囃子)『老松』(古今亭志ん朝出囃子)『序の舞』(柳家小さん出囃子)『たぬき』
つる子 おかみさん目線の芝浜
中央大学に入学した時、落語研究会に誘われた。看板でで囲まれ、入部せざるを得なかった。その時誘った人と囲んだ人が来ている!
いよいよ満を持しての大ネタ登場だ。
魚屋の勝五郎とお光の出逢いから、夫婦(めおと)になるまでを丹念に描く。やがて勝は働かなくなるが、ある時芝の浜で財布を拾う。このくだりはお光が大家に打ち明けるカタチをとる。従来だと、お光が「いっそ夢だったらいいのに」と呻くように漏らすと大家が「それだ!」と採用するパターンだった。今回は大家の方から「夢にしちまえ」と提案する風に変わっている。小さなブラッシュアップで印象がだいぶ変わってくる。この後、お光は勝に財布を拾ったのは夢だと思い込ませる事に成功する。それから3年後の大晦日。女房の告白に至る。柳家さん喬師の型を踏襲した「アタシ大晦日が大嫌いだった」のくだりはカットされている。時間の関係か?
つる子師独自解釈の『芝浜』は紆余曲折を経て、おなじみのあの科白でサゲる。林家つる子の「女目線シリーズ」の今のところの到達点であり、極北である。