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カラオケ行こ!

 合唱部部長の中学生・岡聡実(齋藤潤)は合唱コンクール終わりに森本先生(芳根京子)が忘れたトロフィーを取りに客席に戻る。その途中でヤクザの成田狂児(綾野剛)と出逢う。

カラオケ行こ!

 組長(北村一輝)によるカラオケ大会が迫っていた。
最下位になった組員は「センスがウ○コ」な組長により、入墨を彫られてしまう。そんな悪夢のような自体を回避するため、狂児は聡実に歌を習う事にしたのだ。狂児が選んだ曲はX JAPANの『紅』。

 一方の聡実は変声期にさしかかり、ソプラノを続けられるかの岐路に立っていた。

 それぞれの事情を抱えて、カラオケショップで聡実は狂児に歌を指導することになる。

  狂児の歌は素人レベルでありながら、かなり上手い。『紅』への過剰かつ異常な思い入れがおかしい。ただ、彼の歌は上手いが、胸を打つものではない。聡実もラストで『紅』を歌う。それは歌というより、叫び、である。高音部も歌い切れていない(声変わりのせいだろう)。だが、私の心にまっすぐに刺さってきた。歌はうまけりゃ良いってもんじゃない。ハート…森本先生が言うところの「愛」が大事なのだろう。

 合間に挟まれる合唱部の歌声が一服の清涼剤となっている。また、聡実が時折サボりに訪れる映画を見る部で流される名画も映画ファンには堪らないだろう。 

 聡実の母親役の坂井真紀が、この映画でも素晴らしい演技を見せた。

  
 

 

 

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