7月7日(日)つる子真打昇進祝いの会(なかの芸能小劇場)
わたし 狸の札
つる子 ミス・ベター
短縮ヴァージョンで。みなみとトオルは付き合ってすぐ結婚し、二人にピストルを向ける女はトオルのストーカーという設定になっていた。それでも十分面白い。SFドタバタラブコメディといった趣である。
馬石 崇徳院
「彦星」的ゲスト。
天の川馬石でございます。
百人一首にも収められた崇徳院様のお歌を巡るスラプスティック。
瀬を早(はや)み 岩にせかるる 滝川(たきがは)の われても末(すゑ)に 逢はむとぞ思ふ
若旦那と主人とおかみさんに振り回される熊さんは二人の結びの神となった。神様が織姫と彦星を結んだように。馬石師が七夕の日にこのネタを演る意味がわかった。
ー仲入りー
つる子・馬石・あずみ トーク
司会は席亭の和希むつみ氏。
馬石師とあずみさんが、つる子師の思い出話を。
あずみさんの北海道のホテルの大浴場での話はとても書くことはできない。地方公演中、つる子師とあずみさんはお芝居ごっこをして遊んでいた。それを見ていた某師匠に怒られると思いきや、
俺も入れてほしい
と言ってきた。あずみさんは彼に中国人の大富豪役を割り振った。その師匠はこの度めでたくR協会会長となった。
馬石師がつる子師に『元犬』の稽古をつけた。つる子師がネタ下ろしするのを、五街道雲助師が聴いていた。高座を降りた後、つる子師は雲助師に呼ばれた。
雲助「誰に教わったんだ?」
つる子「馬石師匠です」
雲助「俺が稽古をつけ直す」
後日、馬石師が、つる子師の『元犬』を聴いてみると…
変わんないじゃないか!
あずみ 三味線漫談
盟友の真打昇進に涙ぐむ。
『すいりょう節』
『祇園小唄』
『大人は嘘つき』
「感情を込めて歌いたい」との思いから生まれた曲。風呂でおしっこをしてしまった娘を叱る母。娘は「怒らないと言ったじゃないか!」と憤る。あずみさんもつる子師同様、顔がうるさい(笑)。
『とんとん唐辛子』
つる子 ねずみ
師匠・林家正蔵の得意ネタを弟子が口演する。
それにつけてもつる子師の落語に出てくる子供の可愛さ、無邪気さ、かなしさ。笑顔の奥に多くのものを背負っている子が多い。それは『子別れ』『しじみ売り』でも痛切に感じた。それを見守る父親や左甚五郎の目はやさしい。正蔵版『ねずみ』の根底に流れるやさしさやあたたかさをつる子師は継承している。