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映画「大きな玉ねぎの下で」

 とある居酒屋で別々の飲み会に出ていた丈流(神尾楓珠)と美優(桜田ひより)。丈流の友人が倒れ、看護実習生である美優が適切な処置を施し、救急車に引き渡す。それが出逢いだった訳だが、二人はなかなかそりが合わない。

 一方、夜はバー、昼はカフェとして営業する店「Double」があった。丈流は夜、美優は昼、この店に勤務していた。この店の引継ぎノートを通じてあたたかいやりとりをしていた。相手の顔も知らずに。

 1989年、昭和天皇崩御の年、三浦半島に住む大樹(窪塚愛流/江口洋介)と秩父に住む明日香(瀧七海/?)は文通をしていた。お互いに「ある秘密」を抱えたまま。

 すれ違い・勘違いが意外なドラマを生み、思わぬ方向へ進んでゆく、アナログな手段ゆえのコミュニュケーションの不全。だが、それが障害であればある程、盛り上がる展開が待っている。j

 メッセージのやりとりのみでは仲が良いが、実際の対面では折り合いが悪い。トム・ハンクスとメグ・ライアンが共演した「ユー・ガット・メール」に似ている。ただ、あちらはデジタル、こちらはアナログの違いはあるが…。

 主題歌はasami(出演もしている)がカバーした「大きな玉ねぎの下で」であるが、クライマックスの日本武道館では、オリジナルの爆風スランプが歌う。同バンドの「Runner」も劇中で効果的に使われている。

 ところで、この映画でも繰り返し登場した日本武道館のてっぺんの「玉ねぎ」。正式名称を「擬宝珠」(ぎぼし)という。


 

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