10月12日(土)林家つる子 真打一年目独演会(なかの芸能小劇場)
さく平 権助魚
つる子 箱入り
2年前、根岸のおかみさん(海老名香葉子)が宝くじで100万円を当てた。一門の者どもが集まる。皆が100万円の使い道を聞くと、当時90歳のおかみさんは思いがけない事を答えた。
日本橋の両替商・和泉屋の一人娘お静に縁談話が舞い込んだ。だが、父親は娘の世間知らずぶりを心配し、母親に相談する。母は試しに娘に米の炊き方を聞くと、何か大事な工程が抜けていた。父は娘を番頭だった佐兵衛のところに行儀見習いに出す。お静には女中のお時がつき、簡単なことばかり申し付ける。だが、お静は手前勝手な解釈をして、とんちんかんな事ばかりをする。挙句の果てには自分だけの解釈で風呂場を燃やしてしまい…。
舞台は江戸だが、新作落語である。彼女は三遊亭竜楽師から習った。つる子師はお静の姿に自分自身の姿を重ね合わせていたのではないか?
つる子 JOMO
上毛高校に入学したみなみは憧れのカルタ部に入部する。ところがその部は百人一首ではなく、上毛カルタを扱う部活だった。上毛カルタに賭ける青春の日々が始まる。
つる子師の郷土愛が爆発した一席。
鶴舞う形の群馬県
力合わせる百九十万
世のちり洗う四万温泉
三つ覚えた(笑)。
ー仲入りー
つる子 井戸の茶碗
『女目線』ではないが、千代田卜斎の娘の出番が多くなっている。
「お会いした事はございませんが、高木佐久左衛門様は父に似てらっしゃるのだと思います」
と言わせたり、終盤、父が百五十両のカタに娘を佐久左衛門に嫁がせる事を口にした時、清兵衛に娘の意志を確認させたりしている。これにより、この婚姻が男達の思惑だけによるものではなく、娘の意志も介在したのだと、つる子師は強調しているのだ。男のモノだった落語は、今つる子師によって、女性の演者やお客様に大きく開かれたのである。
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