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2022年を振り返る

はじめに

2022年はひたすら発表する、公に出るということを心がけた一年のような気がしますね。
研究動向はResearchmapをご覧いただければ分かりますが、

トマス・リード研究

まず一つ目ですがリード研究ですね。
今年はひたすらに自由意志に着目する研究をしてました。
自由意志という概念や行為者因果説が現代にどう意義を持ちうるかについて考えております。
発表の場としては2022年3月、
INSTITUTE FOR THE STUDY OF SCOTTISH PHILOSOPHY東京支部(最初で最後だろうなあ…)にて
Thomas Reid on Moral Agency and the influence of Motives upon the Will

という題でリード自由意志論の新解釈に挑みました。
もっと発展的にいけそうなので来年はさらに内容・ライティング技能を彫琢して、投稿まで持っていきたいと思います。
そういえば、トマス・リードの翻訳がついに出ましたね。
Essays on the Intellectual Powers of Menの翻訳です。

年末年始にちょうどよい読書かと思います。常識哲学の深遠へ…(深いかどうかは知らない)

ヒューム研究への帰還

せっかく自由論をやったのだから、
ヒュームではどうかと思って久々に取り組みました。
まあ直接的な理由としてはそうなんですが、
本来的な理由としては下記書籍がございまして

Rowe, William L.. Thomas Reid on Freedom and Morality, Ithaca, NY: Cornell University Press, 1991.

ここでサミュエル・クラーク、アンソニー・コリンズという2人の思想家がいるわけですが、リードの議論、否、あるいは18世紀(1717年以降)といえば両者の論争が割と土台になってたりするわけですね。
その流れで、ヒューム研究でもこの2人の論争から理解を深めようとする研究がありまして、私もそれに乗っかる形で研究をしてみました。

「ヒュームにおける自由と必然—クラーク=コリンズ論争を手がかりにー」
という題で、ヒューム研究学会、日本哲学会その他で発表いたしました。

感想:ライプニッツ読まなきゃなあ

全体的にやってみた感想としては、これですね。

クラークはライプニッツとも論争しており、

コリンズもライプニッツ、ベールなどを自身の立場と同定させているところですので、必須です。

ヒュームにも下記のような文言があります。
Here, then, is a kind of pre-established harmony between the course of nature and the succession of our ideas; and though the powers and forces, by which the former is governed, be wholly unknown to us; yet our thoughts and conceptions have still, we find, gone on in the same train with the other works of nature. Custom is that principle, by which this correspondence has been effected; so necessary to the subsistence of our species, and the regulation of our conduct, in every circumstance and occurrence of human life. Had not the presence of an object instantly excited the idea of those objects, commonly conjoined with it, all our knowledge must have been limited to the narrow sphere of our memory and senses; and we should never have been able to adjust means to ends, or employ our natural powers, either to the producing of good, or avoiding of evil. Those, who delight in the discovery and contemplation of final causes, have here ample subject to employ their wonder and admiration.

Davidhume.orgより

私の中ではますます謎が深まっていく中、それらが解ける日が来るのか分かりませんが、兎にも角にもひと段落ついたらこちらも英語で原文は書いているので、ライティング技能をしっかりと身につけて投稿まで持っていきたいですね。

クリスマス、年末年始は寒いですが風邪を引かぬようにゆっくりして疲れを癒しましょう。

来年はもっといい年になりますように。

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