経営塾始めてみました(43)
7月から、LTSソフトウェアテクノロジーでは幹部候補向けの経営塾を始めました。
近況報告
私がソフテック(現LTSソフトウェアテクノロジー)に着任したのは2020年12月。株主の変更に伴って、知らない人が「新たな社長です」と突然現れ、社員や社員のご家族を含む関係者の皆さんは戸惑ったことと思います。その後、LTSにも、新しいソフテック(現LTSソフトウェアテクノロジー)にも、そして私を含む新たな経営陣にも前向きな興味を持って頂き、よりよい会社作りに一緒に取組み続けてくださったことは本当に感謝しています。改めてお礼申し上げます。
お陰様で、着任した時82名だった仲間は3年半を経て120名になりました。私にとって仲間が増えることで、それまでよりも力強くお客様のお役に立てることは大きな喜びです。そして、仲間たちが何かにチャレンジしてそれを成し遂げ、成長を通じて喜ぶ姿を目にすることは更に更に大きな楽しみです。
塾への期待
そのためにも素晴らしいリーダーシップ集団になっていきたいと考えています。広く自分らしい視野で将来の理想を語り、その実現のために一歩一歩前進していく、苦しい時ほど元気を湧き上げ人に伝染させる、泥臭くてあきらめが悪くて、だからからこそみんなに応援される、自分の決めたチャレンジへの負けず嫌いだけは譲れない、そんなリーダーシップを備えた集団でありたいと思っています。そして、そんな集団に一緒になっていく経験なんて、間違いなく一生の宝物です。
経営塾というアイデアと企画は、わが社の理事と部長、部長をリーダーとしたワーキングループが用意してくれました。こんな素晴らしい機会を頂き本当にありがたく感じています。
※わが社は、会社の経営課題に対して、中堅・若手たちのワーキングループを組成して、会社のレベルアップに取り組んでいます。
最初の一歩のちょっと前、動き出しの準備。
7月に開催した初回は、目標・夢・意識について。8月開催の2回目は、経営って何なのか、何のためにあるのか、について。MBAのような内容もカバーするかもしれませんが、もう少し先になる予定です。
就職活動時の私のキャリアプランには経営するとか経営になるという要素はゼロでした。コンサルティング会社に入って、「こうなりたい!」と追いかけたのは、活躍している先輩コンサルタント。お客様経営者の頼れる右腕、まさに参謀というような役割でした。私は、勉強したり、調べたり、考えることは好きで自分ではまぁまぁ得意と思っていましたが、経営者が備えなければならないと当時の私が考えていたリーダーシップやカリスマ性、人への影響力は天性のもので、自分はそこでは勝負できないと思っていました。
今でもカリスマ性なんて皆無ですし、リーダーシップに自信を持っているわけではありません。それでも、リーダーシップにもいろんなあり方があることを学び、実践を避けられない状況で経験を重ねる中で、リーダーシップが必要とされるとき、その一番根っこにあるものは、正しいことへの確信、正しいと思える未来にベクトルが向いていてきっと近づく道にいるという確信だと思うようになりました。もちろん、企業体の成長には財務的な裏付けは欠かせませんし、そのためには、損得計算に基づく意思決定がベースにあることはその通りです。でも、みんなが収益性が高くてリスクも少ないと思えて、道義的な疑義を生じない状況での意思決定というのは、とても自然な意思決定で、抵抗も少なくて実行も比較的容易です。一方で、収益性に自信が持てない場合、収益性はあるけどリスクがあって不確実性が高い状況や道義的な疑義が生じかねない状況での意思決定は、強い抵抗が生まれる可能性も高く、難しい意思決定です。
そのような時を迎えて必要なこと、自分や仲間の意思決定を支える基準となってくれるのは、経営、企業、経済、組織とは何か、何のために存在しているのかということへの理解・洞察、よい経営、よい企業、よい経済、よい組織への信念だと考えるようになりました。なにぶん人を相手にすることですし、人が為すことなので、完璧な正解があるわけではなく、少しでも時代や場所が変われば変わる可能性も大いにあります。また、自分なりの考えを、自分なりに確固たる基準に昇華し迷いを処理できるようになるにはそれなりの時間も必要です。また、これらは孤独な作業でもある一方で、最初は借り物の物差しを判断基準にすることがあってもよいと思います。借り物で判断する経験の中で反省を繰り返して自分なりに仕上げればよいと思うのです。
こうした長い道のりに踏み入れるにあたって、私の考える最高の最初の一歩、その準備を塾では伝えたいと考えています。私の持っている考えが正解だとか、理想だとか、そういうふうに思っているわけではまったくありませんが、元々、経営者になる考えも覚悟もなく、リーダーシップにあたっては壊滅的だと考えていて、また、実際に壊滅的にできない自分を見る経験をしたからこそ、そんなところからでも間違った方向にいかないヒントを伝えられると考えています。