おふろ

カラスも泣き止んだ 夕暮れと夜の隙間に
太陽が落ち込んで 心も浮かばない
鏡の中に写ったのは 疲れ顔のサラリーマン
憧れた大人には まだまだほど遠い

ぐにゃりと凹んだ気持ちに 温かいお湯を注いで
固まった心と肩を 湯船で温めよう

流せ 流してしまえ かいた汗とともに
恥とプライドも 泡になって消えた
明日 明日になれば また新しいあなたになれるから
今日の疲れとさよなら
「おふろ」 宮本敦

おふろって本当に沁みる時間ですよね。

おふろをテーマにした理由

ライブ先まで、人と機材でぎゅうぎゅうの車でたどり着き、ライブを見にきてくれた人を汗だくで盛り上げてたどり着いたホテルの一室。

けして良い風呂でもない、湯船に浸かる仕様でもないユニットバスでも、なんとか湯を貯めて浸かる。

たまに、地域の銭湯やスーパー銭湯で大きな湯に浸かり、みんなで「あぁ、、」と、ため息でも深呼吸でもない声をもらす。

シャワーで頭から足まで綺麗に洗う。
排水溝に流れていくのは、使った水と泡、日々の汚れと疲れた心。

お風呂の時間で救われたことが、僕の人生にはたくさんある。

だから、おふろに入りたくなる曲を書く事にしたんです。

込めた想い


題材は、1番は頑張るサラリーマン、2番は恋する学生さん。

仕事に疲れたり、恋に敗れたりしたとき、おふろは今日のあなたの心まで洗い流し、明日のあなたの背中を押してくれるんだよという歌。

僕としては、1番も2番もAメロの歌詞が気に入ってます。

ふとうまくいかない自分と見つめ合う瞬間や、叶わない恋心と向き合う瞬間。

誰もが経験するような、どうしようもない挫折や絶望。

それを最初に救ってくれるのって、誰かの励ましでも、希望でもなくて「自分と向き合う時間」なんですよね。
どうしようもない自分と向き合う時間。

体も心も裸になって、今日の汚れを洗い流す瞬間。

思い浮かぶのは自分への慰めかもしれない。
けれど、自分への悲しみや怒りや複雑な思いは、一度洗い流してしまおう。
明日の自分に託してみよう。

そう思えるなら、きっと明日の自分は、今日の自分より強く、綺麗で魅力的な自分のはず。

それを365日繰り返して、振り返れば成長しているかも?と気がつく。
それが人生。
そして、そこにはいつも「おふろ」がある。

おふろの時間を今よりも大切に思えるそんな歌です。

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