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鶏が先か、卵が先か。後継者育成が先か、商品開発が先か。

こんばんは。
ハイブリッド職人の木村あつしです。

伝統工芸に関わっていると、必ずぶち当たる問題。
後継者育成が先か、商品開発が先か。
どういう問題なのか、僕はどっちを先に取り組んだのかなど、ちょっと書きとめます。

後継者育成が先か、商品開発が先か問題

これ、すごく難しい問題なんです。

例えば、先に後継者育成に取り組むとしましょう。
しかし、出口である商品がなければ、職人さんに仕事を与えられません。
となると、後継者を育成しても意味ないんですよね。

これはそこらじゅうの産地で起きています。
伊勢型紙も同様ですね。
そして、仕事がないので、大人の趣味化してしまっています。

では先に商品開発に取り組むとどうなのか?
今の職人さんに仕事をお願いすることは可能です。
でも伝統工芸の職人の平均年齢は70代。

もう数年したら、その職人は仕事ができないかもしれません。
いや、もしかしたら明日亡くなってしまうかもしれません。
そんな綱渡りの状態で商品開発なんてできません。

誰も手をつけていない、若手もいない伝統工芸は、にっちもさっちもいかない状態のものが多いんです。
(組合、協会の縛りとかあるともっと面倒)

うちは後継者育成が先だった

では伊勢型紙はどっちを先に行ったのか。
修業型ゲストハウス、テラコヤ伊勢型紙からもわかるように、後継者育成から始めました。

なぜ後継者育成から始めたのか。
職人の寿命が待った無しだったためです。

伝統工芸の中でも伊勢型紙は圧倒的に高齢化が進んでいます。
伊勢型紙の職人は20人ほどいるのですが、20代が1人(自分)、30代が1人(奇跡的にいた)、60代2人、あとは70〜80代という内訳です。
50代から下はほとんどいない状態なんです。

となると、数年すれば、職人の数が半分以下になるのが見えています。
そうなってしまえば、産地とは言えませんよね。

そのような状態になる前に若い人をとにかく伊勢型紙いれないといけなかったので、テラコヤ伊勢型紙を開業しました。
もうちょっとで開業して2年になりますが、約200人の方が参加してくださり、2名の方に副業として仕事をお願いできる状態にもなったので、目的はほとんど達成することができました。

まずは産地の現状把握から

伊勢型紙は後継者育成からはじめました。
これは職人がいなくなりそうだったからです。

でも例えば、40,50代が少なからずいる、という産地もあると思います。
そうすると、商品開発から行った方がいいと思います。
だって、後継者育成してからの商品開発って遠回りでしかないですからねw
まだまだ先が長そうな職人がいるのであれば、頼りましょう!

なので、
産地の現状を把握して、どの問題の優先順位が高いのかを考え、取り組む
という方法がいいのかなと思います。
今、産地で頑張ってる若手、話は聞くのでいつでもDMしてください!

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