焦るな!もっと自由なバカになれ!
帰国から7カ月が経ち、株式会社を設立してから1カ月が経った。
アメリカにいた頃、僕は憧れの起業家に会い「1年で会社を大きくして、その後アメリカに戻ってきます!」とか言っていたが、まだこんなところにいる。
「メルカリは1年でアメリカに進出してきました!」という僕の言葉に対して「君にはできない」という人はいなかった。
シリコンバレーはそういったYes Andの空気感がすごかった。
そこでは学生とか関係なく、会う人みんなが「起業する!ユニコーン企業を創る!世界を変える!」と本気で言う。
日本だと苦笑いでその話を聞く人が殆どだろうが、シリコンバレーでは皆が本気で聞き、本気でお互いを高め合って絶対にできると信じていた。
僕もその中の一人だった。もっと言うと唯一そのシリコンバレードリームからまだ覚めていない子供のままだ。
でもちょっとは大人になってしまったのかもしれない。それが唯一の悩みだ。
アメリカにいた頃は文化も言語も違うので、すべてが刺激的でなんでもバカなことができた。
Noting to lose(失うものは何もない)というのが僕の座右の銘で、半年間しかないタイムリミットの中でただガムシャラに動いていた。
しかし今は何かが違う。どこか体に力が入りすぎていると感じるときがある。
スタートアップとは抽象的なゴールに向かってHowを考え続けることなのに、スピード感がなく焦燥感に毎日煽られている。
僕が一番しんどい時は忙しい時ではなく、解決策が見つからず前に進めないときだ。
エラーと戦うエンジニアのように一日中そのことを考えている日は、パスカルが言ったように本物の考える葦になる。
しかし僕たちRutenの価値は人々の生活と働き方に余裕を与えて、余裕を持つことでひらめきやクリエイティブを生み出すことだ。
僕自身が余裕なく煮詰まっていたら、そんな価値を与えられるわけがない。
もっと余裕を持って焦燥感から解放されないといけないし、もっと自由な発想でバカになれと自分への戒めの文書をここに書いた。