東京での日々
お久しぶりですショーンです。東京に来て2週間が経過し、月末まで大阪に帰れない。
相変わらず東京はあまり好きになれない。体育の集団行動みたいな交差点、舌打ちと痴漢が絶えない満員電車、東京貧困女子の実写版を見るかのような新宿歌舞伎座。
それでもヒト・モノ・カネはこの街に集まる。
どこか無機質な街に感じるのは僕が持つバイアスなのかもしれないが、でもやっぱり好きになれない。
なぜ東京にいるのかというと色々だが、その半分ぐらいを占めているのがMakers Universityというアクセラの存在。
2月中に3回の合宿があり、合計で10泊程する。
思っていた以上に時間と精神の消費が大きい。ただ新たな出会いや自分自身の認識など、得れるものも多かった。
参加者にはいろんな人がいる。テクノロジー系、エンタメ系、地方系、D2C、医療、スポーツなど
ただ、全員わかっている「本当にすごい奴はここには来ない」
すごい奴が何かは考え方次第だが、みな前進するための起爆剤やセレンディピティを求めて集まっている気がする。
僕自身もチャンスを作りに来た。実際に多くのチャンスがここにはあった。
そんな感じで忙しくなってきた毎日が今は楽しい。
後先考えずにとってくる案件やアイデアを必死に組み立ててくれているチームの存在にも感謝している。
フルリモートかつ10回も会ったことがないメンバー達が半年以上も必死に働いてくれている。
正直「スタートアップ×リモートワーク」は相性が悪すぎる。僕たちが上手くいっているのは、お互いのことが好きだからだろう。
よくあるQ12というエンゲージメント診断をたまにするが、そこにもはっきりと結果が出ている。
ただ今のままではサスティナブルではないことは全員が理解している。だからこそ、この一年が本当に大事だと気を引き締めている。
ただ、そんなメンバーに対しての向き合い方がどういったものだったのか考えさせられる出来事があった。
先日、メイカーズ中の講義で信念とは人のPain(痛み)から生まれるという話を聞いた。
人には解決できない不本意な現実があり、それを解決するために行動したり成長を求める。
しかしその先に待っているのは、また同じような課題。永遠にこのサイクルは終わらないという話だった。
その話を聞いて自分が持つPainは何なのかを考えた。
今まではアメリカでのホームレス経験を原体験として話していたが、その先の何が痛みだったのかを真剣に考えた。
ホームレスというパワーワードはその先の痛みを考えずとも相手に想像させる。野宿や空腹など。
だが、当時の本当の痛みは "孤独" だった。
そんなことを考えていると、自分の中で封印していた記憶を思い出した。
僕は大学2年生までは超普通な大学生活を過ごしていた。夏には友達と海に行って、お酒を飲んで騒いで、大学は単位があればokというような感じだった。
そんな何のストレスもない平凡な毎日をすごしていたが、強烈な失恋をきっかけに今の自分が形成され、自分の中である固定概念が生まれた。
人の命には終わりがあり、人の心(関心)にも終わりがある。
「誰かに依存する」「誰かと本気で向き合う」ということは、失う時の痛みが大きすぎる。
苦しみたくない、悲しみを感じたくないと思い、他人に対してシニカルになっていった。
その考えは2,3年もすれば自分のデフォルトとなり、アイデンティティとさえ思っていた。
そこから何かを失っても、誰がいなくなっても怖くないし、世の中そんなものだと思いながら、たくさんの人に会ってきた。
しかし本質的には誰にも出会っていなかったのだと思う。
シニカルさや、メタ認知は経営者としては必要なのかもしれない。しかし、そのメタ認知は実は相手に見透かされていて、そのメタの取り合いは永遠に終わらない。
"経営者は孤独"は使い古された言葉だが、自分自身で孤独を作っているんだと思う。
ピグーという経済学者の言葉を借りると「厚生(welfare)の増大こそが、あらゆる経済政策の究極目的」らしい。
そしてその厚生には目的善と手段善がある。
目的善:それ自体として善いもの。
ex) 愛や幸福、開かれた心 など
手段善:そのもたらす結果が間接的に善性を帯びるもの。
ex) お金やスキル、知識 など
ここでいう手段善とは目的善を得るための道具にすぎないので、善いか悪いかはそれがもたらす結果次第ということ。
僕はあまりにも手段善を求めすぎていた。
そんな話を今日、メンバーと話して分かち合った。それぞれが感じていたことだった。話せてよかった。
今年はたくさん面白いことが起きる。チームのSlackはワクワクで溢れている。この状態が目的善なんだろう。
そして最近はまた、少しづつメンバーが増えてきた。エンジニア過多という状態でソフトウェア系の仕事を探している。
何かできることがあればいつでもお声がけください。
あと残り2週間、東京での日々を戦いながら最高に楽しむ!
p.s. 2月はずっと東京にいるので、ご飯でも誘ってください。