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僕はこの事業に人生をかける
これまで自分の事業内容についてあまり詳しく公開していなかった。
それはプロトタイプがない今は認知を広げることよりも、実際に資金調達して作ることが最優先だと思っていたからだ。
しかし自分の中でこの6-7月が最大の勝負になると思っているので、加速するためにも今回は僕がこれから始める事業「多拠点シェアオフィスサービスRuten」について紹介させてもらおうと思う。
ビジネスモデルや戦略などは省略しているが、ビジョンに興味を持ってもらえるように構想を紹介するので、長くなるが是非読んで欲しい。
目次
・資本主義の限界
・Rutenとは?
・なぜSeanが?
・資本主義の限界
僕たちが生きるこの世界は現在、資本主義という社会システムで動いている。その資本主義は競争を原理として成り立っていて、奪い合い(搾取)の正当化が貧富の格差を生みだしている。
この社会システムをつき進めていくと富はより一点に集中し、貧困層の割合が圧倒的に増えていく。
この事実の裏側に隠されているのは、誰も幸せではないという事。
貧困層の人々はますます生活が苦しくなる。
一方で富裕層の人々も現状の地位や資産を維持するためにさらに新しいことを考えたり働かないといけない。
つまり自分の人生を担保する資産は貯まるが、それが無くなる恐怖に煽られもっと働かないといけないというストレスを抱える。
ここに僕は現在の資本主義の限界を感じている。
皆何かしら余裕がない。それが結論だ。
そして人は人生の保険として貯金を行い、その額の大きさが心の余裕に繋がっている。しかしそのお金は本来の意味(交換価値)を果たしていない。
Rutenではその安心のための貯金が必要ない社会を創り、そして使われることがなかった保険のためのお金が困っている人に分配される社会を実現する。
昔まだ奴隷制度があった時代は芸術が栄えたという。それは心に余裕があるからよりクリエイティブになれたという事だと思う。
現在は皆ライスワークが忙しく心に余裕がないので、ずっとそのラットレースから抜け出すことが出来ない。
自分に余裕がない人が他人のことなど考えられるわけもない。今の社会はそんな感じだと思う。
・Rutenとは?
僕たちRutenのビジョンは、共に支え合い成長できる世界の創造
ざっくりいうと、自発的な利他社会を創るということ。
以前にも言ったがMust利他ではない。より多くの人がWant利他になる状態を創る。
そのために行う事は「人々の生活と働き方に余裕を与える」というたったこれだけ。
とてもシンプルだけど、これが全てだと思う。
一度考えてみて欲しい、お金が無くてもご飯、家、洋服、なんでも手に入る状態だったら次に何をする?
今言われているシンギュラリティによって人間の再定義が必要と言うのもこれに近い。
なんでも手に入る。何でもできる。すべての欲求が満たされる。その先にあるのは何か?何をもって意味のある人生だと感じることが出来るのか?
僕は 好奇心の探求 / 自己成長 / 利他的行動 だと考えている。
「自分が情熱を持つことが出来るものって何なのだろう?それを探し求めたい!」「今の自分よりも成長したい!」「誰かのために自分が出来ることをしてあげたい!」
そしてこれは究極だが、仕事というものはこういった形に変わると思う。
仕える事が仕事だったが、そうではなく自分が好きなこと、成長を感じられること、他人に与えてあげたい(お金のためではない利他)と思う事がこれからの仕事の概念になる。
この事業ではその状態を作るために、今までのライスワークの部分を補い人々の生活と働き方に余裕を与える。
ではどうやって余裕を与えるのか?
Rutenは、様々な地方に宿泊施設を含むシェアオフィスを建て、月額課金制でどこでも利用できるというサービス。
※この画像はイメージです。
現在は仕事のために都心に人口が集中し、地価の高騰と生活コストの増加で、支出額も増えるというジレンマがある。
収入が増えても支出が増えてプラマイゼロ。ストレスや疲労を考えるとむしろマイナスだと思う。
なので人々が豊かに生活できる理想の環境は、都心や特定の地域ではなく、分散した地方にあると考えている
この分散型社会の実現はハイブリットで豊かな世界を生み出す。
Rutenのバリューは主に4つある。
最低限の生活が担保され、地方の自然環境の中でストレスなく働くことが出来る。そしてそこで働き手のコミュニティを形成する。
現在フリーランスの人も含めて都心に人が集まるのは、そこに人がたくさんいてステークホルダーが増えるから。
リモートで働けるという一方で直接顔を合わせての営業のために都心に依存している。
でもそのステークホルダーがRutenのプラットフォーム上にいると考えると必ずしも都心に依存する必要はない。
最終的には、そのプラットフォーム上に様々な職種の人が集まることで特定の地域に依存しないエコシステムを形成する。
その状態を作るために、現在は企業のサテライトオフィスや、すでに案件を持つフリーランスの方に対してアプローチをしている。
もう一つ、これからの時代に価値があるのが4つ目のセレンディピティだと考えている。
セレンディピティ:何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること
これは計画的偶発性理論の考え方に似ている。
近年データ分析によって、人はパーソナライズされた広告など、見えていないがレールが既に決まっている。
YoutubeでもAmazonの中でも人は偶然見つけた新しいものだと思っているが、実はAIに決められた消費者行動をとっている。
これはこの先人生もそのようになると考えている。
逆を返せば自分が持っている情報や特性から大きく外れた新たなタネを見つけることが出来ないようになるという事。
人々の人生から本当の意味の偶発性が無くなり、人は先天的な要素ごとに断絶されていく。
そうではなく、多拠点に広がるRutenの拠点を「ただ面白そうだから」という感情で移動していくと、その先にセレンディピティを生み出すことができると考えている。
留学には環境を変えることで知らなかった世界が見えてくるという価値があるがそれに近い。
その先で新たに出会う人や環境から得られるもの、知ることはたくさんあると思う。
Rutenの名前は万物流転から取っていて、場所を移り変わり、人として移り変わる(成長する)という意味。
・なぜSeanが?
なぜ僕がこの事業をやりたいのか。
僕がシリコンバレーにいた頃からこのnoteを見てくれている人はおそらくここまでの構想を見て、納得してくれたと思う。
なぜならシリコンバレーでのホームレス生活をしていたあの時の原体験が全てだからだ。
僕は半年前、スタンフォードやUCバークレーなどの優秀な人材や全米40%の投資金、そして最先端のテクノロジーが集まるシリコンバレーにいた。
そこは世界最大の経済都市と言われ、誰もが夢見るアメリカンドリームの地域だった。
しかし実際の姿はホームレスの数が急増し、ハイエンドとホームレスが断絶される残酷な地域でもあった。
GAFAを夢見て所持金3万円だけで飛び込んだ僕は、そこで一か月間ほどホームレス生活をしていた。
路上で寝る日もあれば、24時間の大学図書館に潜り込んだり、フィットネスクラブの低温サウナで寝る日もあった。
Safeway(スーパー)で物乞いをしたこともある。ひとこと「I can't」と言われてその後話しかけても無視という感じだった。
あのおじさんの顔は今でも覚えている。
一方で同じホームレスの人たちは全員ではないが優しかった。
ある白人のホームレスは雨の日に治安が悪い深夜のテンダーロインを徘徊する僕を助けてくれ、ブルーシートと毛布を掛けてくれた。
サンタクララにいた時の人は「あそこのDenny'sに12時過ぎ頃に行くと残飯くれるから一緒に行こう」と誘ってくれた。(行かなかったが、、)
「ジャパニーズスタイルの無料ホテルを紹介してあげるよ!」といって駅横の大きなロッカーに連れて行ってくれる人もいた。
でもそんな彼らの路上生活には終わりがない。
当時の僕はこんなしんどい生活でもいつか終わりが来る。長くても半年で日本に帰れると考えていた。しかし彼らには終わりがない。
そして自分も余裕がなかったので持続的に彼らの物乞いに応えることはできなかった。
家とご飯さえあればそれだけでいいのに。それさえも得ることができない。与えてあげられない。
世の中は残酷だ。その想いは今も持っている。
江戸時代よりも確実に便利で豊かな世界になっているのにそれでも格差によって人間としての尊厳を失っている人はたくさんいる。
そんな今の資本主義社会の底上げを行うことが僕がRutenで実現したいことだ。
全ての人に余裕を与えることで、物理的にも気持ち的にも助け合うことが出来る世界が実現できる。その未来を信じて現在取り組んでいる。
ここまで読んでいただきありがとうございました。この事業は僕の個人的な恩送りでもあります。
シリコンバレーでの半年間は本当にたくさんの人に助けて頂き、応援して頂いたお陰でやり過ごせました。
その時に与えてもらってばかりだった僕が、この事業で社会に恩を送りたいと考えています。
帰国してもう4カ月が経ち、未だに前に進めていない状態ですが、この6-7月で必ず資金調達を達成しRutenを実走させます。
ですのでこれからもご支援よろしくお願いします。
続き
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![Sean Kuraoka](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7873177/profile_8a64fd7f07bc5a259daae983f4878080.jpg?width=600&crop=1:1,smart)