勝つ就活って本当に必要なの?(後編)
前編、中編と、自分の価値を中心にする就活とは何かについてお話してきました。
この後編では、その自分の「価値」を中心においた就活を行う場合、どうやって企業を選べばいいのかについて、企業の規模による働き方や役割の違いをベースにして具体的なお話をします。
簡単に自己紹介をします。私は、塾を起業して10年になり、理系の大学でもキャリアデザインの講師を行って7年目になります。その前は、放送機器メーカーやIT企業にて足掛け10年、エンジニアとして働いていました。
中編にて、「働き方」には3つのパターンがあるとお話いたしました。起業とフリーランスについてはここではお話しません。この後編では、企業に属するとした中で、自分の感じる「価値」を最大限にする就活のお話です。
どの規模の企業に就職するのか
1.従業員数1000人以上の大企業に就職する
→1000分の1の役割
2.従業員数100人程度の中小企業に就職する
→100分の1の役割
3.従業員数10人程度の中小企業に就職する
→10分の1の役割
はっきりいって、従業員数1万人の企業と、1000人の企業とでは売上規模は異なっていても、働き方はあまり変わりません。理由は1万人いる企業だとしても、部署ごとが別会社のように動いていることも多いからです。
ただ、10人の企業、100人の企業、1000人の企業とでは、それぞれ働き方が異なりますので、この3つにわけました。
1000人以上の規模になると、社長も当然、社員の顔と名前などわかりません。従業員もなかなか会って話す機会は少なくなります。
そもそも、1000分の1の役割しかもらえませんので、大きな仕事をやっている気持ちにはなりますが、実際のところは、組織の中では相対的に小さい仕事しかできません。
仕事は細分化されていますので、そのごく一部分を専門的に行うことになります。
その代わり、上場企業であることも多く、知名度も高いので、そういった企業に就職しているという満足感を得ることができます。
100人程度の規模の場合であれば、自分自身もほぼ全員の顔と名前もわかるでしょうし、社長や経営陣も把握ができます。お互いにお互いが知っている中での仕事という形になります。
仕事も100人程度の規模での仕事になりますので、誰もが知る企業ということはありませんので、知名度のない会社になりがちです。
ただ、その反面、自分の役割というものが出てきます。いわゆる会社としてのチーム感も持つことができます。この規模の会社の問題点としては、働く内容によって、身分差を感じさせてしまうようなことが起きることです。
自分がそのカースト上位にいれば気になりませんが、下位の部署と思われるところにいると、非常に働きにくいし、気持ちも下がってしまうことがあります。
仕事自体は、分業化され、部署も分かれており、仕事もそれぞれの専門分野で働くことができます。
休暇などは普通にとることができますし、この規模であれば全体を把握しやすいですので自分がその組織を大きくするんだ、といった感覚も持つことができます。
10人程度の規模になると、そもそも、一人で何役も行う必要があります。つまり、プログラミングも営業も、広告も、のように一人の役割がとても大きくなります。
そのため、一人抜けてしまうだけでも、会社としてはどうやって人を配置するか、運営するかを考える必要があります。
反面、仕事としてのやりがいは非常に感じやすいです。なぜならば、自分がいないとならない、というその人の存在感は大きくなりやすいからです。使命感なども生まれることもあるでしょう。
ただし、経営者との距離が近いどころか、常に一緒に働く形になりますので、経営者目線をもって働く必要があります。また、社長は多くの場合、変わった人ですので、考え方にも共感できるかなどが影響してきます。
組織が小さいということは、それだけチームとして働く必要があります。いてもいなくてもいい人なんて存在しません。
休暇もきちんととることは難しい場合もあります。
このように従業員の規模によって働き方自体が大きく異なります。自分が何かの専門家としてその仕事だけをやっていきたいのであれば、規模は大きい方がいいことになります。
また、経営者の視点をもって働きたいと思っている人は規模が小さい方がいいことになります。
上の3つの中から、自分の価値観をもとに選ぶことで働き方が見えてきます。
有名な会社や、規模の大きい会社が自分にとっていい会社とは限りません。
調べて、会社の雰囲気を見て選ぶしかありません。
その会社のHPの社長の言葉などからもある程度は感じることはあります。
オンライン面接になっていることも多いですが、最終面接の多くは対面にしていることがあります。
その時点で最終判断をするというよりも、できれば受ける前に、その業界の行っている展示会などに足を運べるのならば足を運び、実際に作っているモノやサービスを見たり、説明員に話を聞くことで見えてくるものがあります。
自分がどの規模の企業で働くことがベストなのか。
規模は重要です。
それは、働き方が同じ業界であっても異なるからです。
最初のボタンを掛け違えると、後ろが全部変わってしまいます。
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