【コラム】中小企業診断士二次試験の手答えと実際の点数。
令和6年度の中小企業診断士2次筆記試験が10月27日開催されました。今年度の試験では、事例Ⅱが難しかったようですが、試験問題を見ていないので詳しい難易度等には、言及できませんが、ひとまず受験された方、お疲れ様でした。
来年2月5日の合格発表まで長いですが、多くの方は、各予備校の模範解答とご自身の回答を比較し、点数を積み上げ、合格できているかを確認すると思います。
今回の投稿では、私が受験した時の、二次試験受験後から合格発表までの期間の各予備校から出題される予想点と実際の点数との乖離について投稿します。
1.二次試験について
まず、二次試験の難易度についての感想ですが、明確な正答がはっきりとはしないが故に、中小企業診断士一次試験よりも難しいとは思います。
一方、自分で解答を考え、アウトプットする試験なので、他の試験には無い、独特の楽しさはありました。
2.試験後の手応え
私が受験した令和4年度の試験では事例Ⅱと事例Ⅳが難しかったです。特に、私は、事例Ⅱの問4(配点30点)の題意を捉え間違い、足きりライン(40点)に到達できない可能性もあると思っていました。
具体的には、「どのようなオンライン販売事業者と協業すべきか」という問題に対して、「大手食肉卸売業者との水平的協業により~」、と水平的協業を軸に解答作成しましたが、おそらくここは、ミールキット等の事業者との連携を記載すべきで、出題者の意図としては、問題に記載の消費者動向調査を基に、考えられる協業者を提案させることを解答設計していたと思います。
二次試験を受験されている方であれば、ご承知かと思いますが、解答の作成としては、問題用紙に記載されているワードを用いて解答するのが定石です。しかし、場合によっては、令和4年度事例Ⅳ問4のような問題用紙に記載の無いワードなどを用いることもあると云うことです。
その他にも、事例Ⅰにおいては、機能別組織の記載が求められる解答をマトリックス組織と記載する等、かなり厳しい状況だとは認識していました。
なお、試験後の手答えとしては、次のような点数になるだろうと予想していました。
事例Ⅰ 55点~65点
事例Ⅱ 40点~50点
事例Ⅲ 65点~75点
事例Ⅳ 65点~70点
3.予備校の模範解答による採点と実際の点数
では、実際に予備校から出される模範解答等を参考に、点数を計算した結果と、実際の点数との差異について、確認します。
4.結果を受けての感想
次のとおり、中小企業診断士の二次試験の合格者は、毎年、18%前後の合格率で推移しています。
R5:18.9%
R4:18.7%
R3:18.3%
R2:18.4%
R1:18.3%
このことから、二次試験は、絶対評価では無く、相対評価であり、18%前後の合格率になるよう、問題用紙に記載された「配点○点」と明示されたアッパーの中で、各事例の点数調整が行われていると推察します。
実際、私は、令和4年度の事例Ⅲについて、結構な手答えがありましたが、62点でした。この年度は、他の事例と比較しても事例Ⅲは易しめの内容でした。また、SNS等に投稿されている合格者の点数を見ていても、ほとんど60点から70点の点数でバラツキが少ない状況でした。
一方で、難しいとされた事例Ⅳについては、手答え以上に、点数が上振れしていました。私は、難問では勝負せず、分かる問題を確実に解くようにしたので、時間が足らず空欄となった箇所が3問ほどあり、点数が入りうる箇所が少ないにも関わらず上振れがあったのです。こちらについても、SNS等で合格者の点数を見ましたが、最高で91点がおられるなど、バラツキはすごく大きかったです。
以上のことから、相対評価が故に、受験者が易しめと感じるレベルの問題であれば、手答えほど、点数は伸びにくく、逆に、難しいと感じるレベルでは、意外と点数が取れていたり、他の受験者よりも得点できたのであれば、サプライズ的に点数が伸びる場合もあり得るということです。
ただ、これは、ご自身が感じる難易では無く、受験者全体の点数から導き出される難易であることにご留意ください。
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