【コラム】社会保険労務士試験に合格!でも、少しモヤモヤ...
2024年度(令和6年度)の社会保険労務士試験の結果が、10月2日に発表されました。合格された方、本当におめでとうございます。
私自身、日商簿記1級、中小企業診断士の資格を持っている中、令和6年度の社会保険労務士試験に合格をしました。(点数的には、かなりギリギリなので、合格について胸を張るつもりはありません。)その経験から、社会保険労務士試験に合格することの難しさを高めている「運ゲー」の要素について触れます。
1.社会保険労務士試験とは
単刀直入に申し上げて、非常に運の要素が強い試験(運ゲー)だと感じました。その運ゲーとさせている、諸悪の根源は、原則3点以上を確保しなければ足切りとなる「選択式」であります。(今回は、選択式の難しさについては、詳しく触れません。長くなりますから(笑))
この点については、受験された方であれば、ある程度、共感してもらえるのではないかと思います。
2.合格への手応え
他のブログ等でも記載がありますが、社会保険労務士試験の合格ラインへの到達はそれほど時間を要さないと思います。私の感覚では、大体800時間程度、勉強していれば、合格ラインには十分達すると思います。
しかし、そこから、確実に合格するレベルに至るには、上記運ゲー要素により、かなりの時間が必要で、私も、最後まで運の要素を消し込むことは難しかったです。因みに、私の受験直前の手応えとしては、大体、70%ぐらいの確率で合格できるかな、程度でした。
3.試験結果
先日、送付されてきた試験結果の通知です。
令和6年度の社会保険労務士試験を受験された方であれば、分かると思いますが、「択一の総得点」、「択一の労災」、「選択の労一」、がギリギリのラインでの合格です。
※選択は3点以上が合格となりますが、「労一(労務管理その他の労働に関するする一般常識」は、2点以上に合格ラインが補正されています。
4.運ゲー要素の果てに
さて、本題に触れていきたいと思いますが、上記にもあるように、私はギリギリ足きりラインを割らなかった箇所が3つもありますが、逆に、私よりも総得点が高いけれでも、たった1箇所だけ足きりラインを割ったことで、不合格になられた方も多いと思っています。
運も実力という言葉もありますが、社会保険労務士試験は、マークシートの試験であるが故に、この運の要素がもたらす、合格者の実力のバラツキが大きいと感じました。
運ゲー要素の原因である選択式は、5問に対して、原則3問以上の正解を求めらますが、試験範囲が広い中で、全てを完全に押さえることはほぼ不可能だと思っています。
当然、試験の設計では、各科目5問の出題中、2問~3問は、基本的な問題からの出題で、それ以外は、覚えているか覚えていないか微妙なレベル若しくは、全く見たことのないレベルの問題が出題され、通常であれば、3点確保はできるよう出題されますが、5問すべて同じ論点もあれば、5つすべて異なる論点の場合もあります。
つまり、5問すべて同じ論点の場合は、その論点についての知識が抜けていた場合、その時点で合格は厳しい状態になります。
繰り返しになりますが、社会保険労務士試験は範囲が広いので、試験前に確認した内容でも、他の論点をさらに最終確認していくなかで、最初の方に確認した内容は、段々と曖昧な記憶になっている場合があります。
記憶力が高ければ最初の内容もしっかりと覚えているでしょうが、記憶力に自信が無い方は、これがネックになります。
つまり、試験範囲が広いため、試験直前に見た問題が出れば正答できるけれども、最初の方に確認した論点が出題されれば間違う可能性が高くなります。仮に、出題された論点が2つや1つしかない場合に、いずれかの論点が抜けていただけでもかなりの窮地に立つでしょう。
社会保険労務士試験は1年に1回しかありません。実力は十分だけれども、たまたま、一部論点の抜けにより不合格になってしまった方のことを思うと、すごくモヤモヤする気持ちが沸いてきます。
その為、試験制度として、選択式の出題を各科目10問にするとか、あるいは、総得点8割以上の方は、1つの足切りを許容する等、ある程度、運の要素による合格者の能力のバラツキを押さえるような試験制度になれば良いのになぁと思う次第です。
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