日常が変わる時 13
「長い休みが取れそうなんだ。
いままで頑張って来たからご褒美に少し長いお休みを貰えるんだって。」
韓国と日本を行き来しながらの生活にだいぶ慣れて来た頃…私は会える嬉しさもあるけど別れる時の寂しさが辛くてちょっと
遠距離恋愛ループにハマっていた。
そんな私を察して
「最近ヌナ元気がないしさ、一緒に暖かいところに行ってゆっくりしようよー」
といってくれた。
年下なのにちゃんと私の変化に気づいてくれる。
「実はね、ホビヒョン家族がハワイに行くからうちの家族も一緒に行こうか?ってことになってさ。ヌナも行こうよー」
『嬉しいけど…一緒にハワイなんて怒られないかな?』
「誰に?」
『わからないけど…なんとなく?』
「家族も一緒だし大人数だから大丈夫だよ。」
『ありがとう。嬉しい。私もいつかテテとハワイに行きたいって思ってた。』
ハワイは小さい頃からの特別な場所で…
家族の想いでがたくさんある。
いつか好きな人と一緒に行きたいと思ってた。
お休みは2週間後から。
私はとにかく仕事の調整を…というか
今会社には2人手伝ってくれている仲間がいる。彼と知り合った頃にはバイトちゃんだった彼女は、服飾関係の学校を卒業して
今やうちの会社にはなくてはならない大黒柱だ。
(オーナー!いつでも韓国にお嫁に行っていーですよ!ここは私に安心して任せて!)と心強いサポートをしてくれている。そして、半年前にアルバイトにきてくれるようになった学校の後輩ちゃんと
バッチリいい仕事をしてくれている。
彼女達に今回の旅行のことを話すと
快く送り出してくれた。
羽田からカウアイ島までの飛行機はこんなにウキウキした気持ちは久しぶりだと思うくらい落ち着きがなく過ごした。
荷物をピックアップして早足で空港を出る…南の島の乾いた空気と日差しが心地よく足を止めるとこちらに両手をブンブン振ってる人がいた。
派手なアロハシャツに短パンで私より1日早く着いただけなのにもう現地に馴染んでる。
早くぅとピョンピョン!ジャンプし始めたので小走りで駆け寄った。
『お迎えありがとう!こんなところで待ってて大丈夫だった?』
「ウェルカムハワーイ!」
質問とは全然違う答えと共にハグをされて
『ねっねっねっ大丈夫なの?』
って緊張すると…
「大丈夫ーここはハワイだよ」
ってもう南国ムード全開になってしまってる。しばらくハグしたまま久しぶりに会えた喜びと彼の匂いを満喫してたら
[テヒョーーン。お楽しみのところ悪いけど…そろそろいこうかー]
と後ろから声を掛けられた。
ホソクさんには1度ソウルでご挨拶をしたくらいで初めましてに近い私はびっくりして振り返った。
『お久しぶりです。一緒にいらしてるの知らなくて…すみません』
[いーんだよー。久しぶりに会うんだから当たり前だよ。僕の彼女も同じ便で来たから一緒に迎えにきたんだ]
とホソクさんは穏やかににっこり笑って
横に立つ彼女の肩を抱き寄せた。
テテと2人きりになった時
『ホソクさんっていつも穏やかでおしゃれだし素敵だよねー』っていったら
「ヌナはまだまだホビヒョンを知らないだけだよ。笑」と目を細めながらニヒッと笑った。