パタハラ(パタニティハラスメント)考
マタハラ(マタニティ・ハラスメント)とは、妊娠した母親社員に対して、妊娠・出産が業務上支障をきたすとして退職を促すなど嫌がらせ行為を指す。2013年に、連合の女性の4人に1人が経験しているという実態調査が公表されてから、広く世に知られるようになった。
これに対して、父親社員の育児参加を妨げる行為を私は「パタニティ(=父性)・ハラスメント」と呼んでいる。上司が「男性社員とはこうあるべき」という先入観で、部下の育児参加を妨げる「パタハラ」も実は横行している。
私の知り合いが、「保育園から子どもが熱を出したという連絡がきたので、すみませんが早退します」と申し出たところ、「そんなのは女房の役割だろ」と課長。
「いや、うちの妻は出張中なので無理です。私は今日やるべき仕事はもう終えていますから」と言っても、課長は「そういうマイホームパパって奴は、会社には不要なんだ。そんなことをしていると、評価を最低に落とすぞ」と怒鳴り散らす。
「私は仕事をきちんとやっています。それに、家族の看護で休暇を取得できると就業規則にも書かれていますが」と言っても、課長は「家庭の事情で会社に迷惑をかけるのだから、評価が下がるのは当然だろう。そもそも、子どもが小さいのに、ほいほいと出張するような無責任な女と結婚したおまえの配偶者選択が間違っている!」と取り付くしまもない。
「こういう場合に、どうしたらいいか」と聞かれて、私はこう助言した。課長に、「お言葉ですが、お子さんが小さかった頃、課長は出張を減らしたのですか?」と聞くと、おそらく「減らすわけないだろう」と回答するはず。すかさず、「子どもが小さいのに、ほいほいと出張した課長と結婚した奥さんは、配偶者選択が間違っていたってわけですね」とKYを装って、言い放てばいい。「誰もが女性のお腹から生まれてくる以上、子育て女性の足を引っ張るなんて、天に唾を吐くようなものだ」と毒づく私に、知人が一言。
おまえみたいなKY発言をするタイプは、日本のサラリーマンとしては致命的だぞ・・。「まぁ、そうだな・・・」と同意しつつも、おかしいと思うとついつい口に出さずにはいられない性分は変えようがない・・・。
パタハラもマタハラも、絶対におかしい。