パラリンピック取材 〜こぼれ話 卓球〜
パラリンピック取材中に私が感じたことを
こぼれ話として書こうと思います。
卓球、イブラヒム・ハマト選手(エジプト)の試合を最初に見たときは、正直驚いた。
えーーっ!口でラケットをくわえるん?!
両腕がないイブラヒム・ハマト選手は、口でラケットをくわえて、首を左右に素早く振ってサーブする。
片足は靴を履かずに指が出た靴下を履いている。
球を器用につかんでトスをあげるために。
10歳のとき列車事故で両腕を失ったハマト選手。
卓球を始めたのは13歳で、最初はラケットを脇に挟んで試合をするスタイルだったが、うまくいかず、口にくわえるスタイルに変更した。
腕がないからといって、卓球ができないという、私の先入観・・・。
ライターとして失格だ。
どれぐらいの負荷が首や歯ににかかるんやろう…。
口は疲れへんのやろうか(素朴な疑問)。
脇で打つスタイルから口でくわえるって、大変やったに違いない。
約3年かかったというけど、どれぐらい大変なことか…。
聞きたいことが多すぎる…。
ハマト選手の紹介の欄には、英語とアラビア語を話すと書かれていたが、ミックスゾーン(取材する場所)に来られたら、アラビア語しかできないという。現場がざわつく。
監督からは翻訳機を使えといわれたけれど、こちらの言いたいことは伝えられても、どうやって聞き取ればいいのか。頭が働かず。アラビア語ってそもそも打てるんスマホで・・・などと、もたついていると、
「しゃーないな、俺、英語で聞いたるわ(By エジプト関係者)」と英語が少しできるという人が手を挙げてくれた。
印象に残った言葉をひとつ、紹介したい。
「コロナ渦で日本は不可能なことを可能にしてきた。
私も不可能はないことを証明したい」
どの選手も自分の障がいに合わせて、身体の機能をさらに高め、試合で最高のパフォーマンスを見せるために、トレーニングを積み重ねている。パラリンピックという大舞台で、活躍する選手たちをぜひ、応援してください。
パラリンピック放送スケジュールhttps://sports.nhk.or.jp/paralympic/schedules/
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