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目の前で起きた地下鉄での出来事

地下鉄に乗ってブルックリンに行く途中に、向いに座っているおじさまの携帯が鳴って床に落ちて、なぜか拾われないので、拾って渡そうとしたら体が固まっていらっしゃる。

一瞬何が起こっているのかわからなかったけど、周りの人がきっと彼はストロークかなんか起こしたんだと言っている。確かに目がきょろきょろしている。びっくりして電車が止まり次第、車掌さんがいる車輛に走っていって、エマージェンシーだ、ストロークを起こしているかもしれない!と言って駅から出発しようとするところ停めてもらい、アンビュランスを呼んでもらう。

まずはポリスがきて、様子を見てもその方は固まったままで、反応せず、首の動脈がぴくぴくなさっている。心臓マッサージのようなことをしてもおじ様はまったく動かず。見ていられないけどその場を立ち去れず、彼は絶対大丈夫と祈りながらも、涙が止まらない。

他の男性のお客様も彼の様子を見に来て、彼に声をかけたり脈を診たりしている。男の人ってやっぱりこういうとき冷静でいられるというか、やっぱり頼りになる。私はおろおろOMGと内心思いながら祈るのみ。

車掌さんも運転士さんも、そのおじ様と同じ年代のブラックの方々で、明日は我が身と思ったかどうかは知らんけど、他人事ではないというか、なんてこったという神妙な感じ。

なかなか救急隊員が来ないので、首の動脈も動かなくなって、おじ様はまったく動かなくなられたので、もしかするともう亡くなってしまったのではないか?とかなり焦ったのですが、隊員が来てタンカで連れて行くときに、目をパチッと開けられたので、あーよかった生きてらっしゃる!とホッと。病院で処置を受けられ、今頃大丈夫になって家族の方に会えていらっしゃいますように!誰も地下鉄で一人で死にたくないよね。

それにしても彼はラッキーな方だと思う。誰かが彼に電話をかけて、地下鉄なのになぜか電波が通じて、それを取らなくて落としたから私たちは彼の異変に気付いた。もし電話がならなかったら誰も気づかなかったかもしれない。だって終点まではそこから30分以上かかるところだったから。その電話がならなかったら誰も気づかなかったかもと思うと…。

その後、気を取り直して地下鉄は出発し、ブルックリンまではノンストップで行くぜ!次の駅はボロウホール(ブルックリン区役所の前の駅)✖20回くらいの威勢のいいアナウンスが入り、マンハッタンの途中駅はすっ飛ばし電車をぶっ飛ばしてくれました。

こういうことがあるのも、ニューヨークの地下鉄らしいね。ダイヤが乱れて、突然急行にしますとか多分日本ではあんまりなさそう。

降りたときに、車掌さんにありがとうと手を振ったら言ったら、ありがとうと返してくれ、なにかチームワークを感じました。

今までは特に通勤時などシックパッセンジャーが出たとアナウンスがあって地下鉄が動かなくなったら、もう勘弁してよ!具合が悪くなりそうだったら電車乗らないで!くらい思っていたけど、目の前でこんなことが起こるともうあわわわというか、本当に今までごめんなさいという感じ。

今朝は友人の子供向けの音楽クラスを見に行く予定でブルックリン行きの地下鉄に乗ってすっかり遅れたけど、なんとか最後のクラスに間に合って、かわいい子供たちの様子を見ていたら、すっかり癒されて落ち着きました。やっぱり音楽って癒しのパワーがあるね。起こったことを取り乱さずに話せるかと思ったけど、意外に冷静に友人に話せている自分にびっくりしました。

それにしても、人間いつ何事が起こるかわからないよ、好きなこと、今やりたいことをできるだけたくさんやりなさい、健康には気をつけなさいというサインのように感じました。

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