モントレージャズフェスティバル イン ニューヨーク
カリフォルニアのモントレーでのジャズフェスティバルは毎年9月にある最長のジャズフェスティバルということで、昨年65周年を記念してMJFというスーパーバンドで今年の1月からアメリカ全土をまわってきたとのこと。
なぜに私が興味があったかというと、
バンドのメンバーにドラムのクラレンスペンさんと中村恭士さんがいるということ、そしてボーカリストはディーディーブリッジウオーターさん、カートエリングさんという大御所。絶対いいに決まってるでしょ?No Doubt!
とはいえ、会場はジャズアットリンカーンセンターのアペルルームという美しい会場。私もかなり久しぶりにこのホールへ。前回は確かジョンヘンドリックスさんを見に行って、階段から滑り落ちそうになった思い出が。いつ?って感じ。
しかも今回は2回入れ替え制なのに、チケットが$105.50〜。
わーお、お高いわ、どうしよう、$30でも安いチケットで後ろの方でみる?という葛藤でギリギリまでチケットを買えないでいたら、3日前に前の方の真ん中の席が出て来たので、ここにする!とやっと決めたのでした。$130.50!正解!
当日会場に行ったらまあおじさまおばさま方と年齢層が高い!
そりゃそうだよなあ、このチケットを普通に買える人たちだものと納得。
ある程度しょうがないことなのかもしれないけど、もっと若い人が気軽に聞きに行けるような価格帯になってほしい、というか、ジャズの最高峰のコンサートはこのまま裕福なシニア様の音楽になっていくようで悲しすぎるので、コンサート後早速サーベイが来たので、そう書きました。
ジャズアットリンカーンセンターさん、コロナの空白の期間もありましたが、ちとやりすぎかもです…。
コンサートがはじまるといきなりフルメンバーでの演奏。
サックスの若い女の子ラケシアベンジャミンさん、ピアノとミュージックディレクターはクリスチャンサンドさん。このように次のジェネレーション、若者も意識した選抜メンバーではあるんですよ。
いやあすごいとしか言いようがありません。
てんこ盛りすぎです。
ディーディーさんを見るのもうん十年ぶり。私はもう72歳だからシニア代表なのよ、と笑いを取りながらも場の盛り上げ方は最高。モントレージャズフェスティバルには1973年から出演している!ということ。さすがの大御所ですね!娘さんと一緒にウォルマートスーパーセンターに行っているときにチックコリアさんの訃報を聞いたというお話をしたと思ったら、私の娘、チャイナ、どこにいるの?と話しかけて、2階席に彼女がいるのをみて、チャイナなぜあなたは私の娘なのにそんなところで見ているの!?ああ、彼女は男性と一緒だからなのねと一同爆笑。
そしてチックコリアさんに捧げる彼の名曲スペインを熱唱。今まででこれをシンガーがレコーディングしたのは2人しか聞いたことがないということで、アルジャロウさんの歌詞で歌う前に、宙に十字を切っていて、こんなベテランのアメリカ人のシンガーでもこの曲の歌詞ってチャレンジなんだとびっくり。
実は私もスペインは大好きでレパートリーの一つ。私の場合はサークルソングのボビーマクファリン先生もチックさんと演奏していて、実際にブルーノートで二人のデュオも見て大感激したこともあり、それにも影響受けているのでこれからも大事に演奏していきたいと思っています。
ラケシアベンジャミンちゃんはごらんと通り金きらきんの衣装。
ひと昔のラッパーもびっくりじゃ?私はニューヨーク出身だから、この衣装でタイムズスクエアから来たので、まるでコメディアンのようだったと自分でウケてるかわいいラケシアちゃん。
ジョンコルトレーンに捧げた曲、彼女はアルトサックスなんだけど、コルトレーンを彷彿するものすごい迫力でびっくり。こんな演奏をする女の子が出てくるようになったんだねえ。素晴らしい。しかも最後はラップで大盛り上がり。こんだけ実力があるのに、衣装も派手派手、まさに突き抜けてる若いミュージシャンって感じ。
クリスチャンサンズさんは12歳の時にすでにコネチカットでジャズのスタンダードなどを弾くギグをやっていて、目の前にいたお客さんがいたく感動して、後日、ハウスフォンに電話がありデイブブルーベックさんのお家へ行くチャンスを作ってくれたというお話。若者にそうそうハウスフォンって昔は家に電話がついていたんだよ、知らない人はグーグルで検索して!とMC。ぷっ、ウケる。後でプロフィールを見たら、10歳の時にマンハッタンスクールオブミュージック(ニューヨークの超一流の音楽学校)のバチュラーとマスターディグリーを受けるとはなんとも天才君!すごすぎる!
実は窓の外は雷交じりの悪天候。カートエリングさんは雷のエキストラライト代は自分がはらっておいたからなど饒舌。久々に生の演奏を見させていただいて、ジョンヘンドリックスさんやマークマーフィーさんからボーカリーズを受け継いだ次のジェネレーションの方だと思ってずいぶん前に拝見して以来だったので、すっかり円熟なさったなーと。グラミー2回受賞だって、納得。
ベースの中村恭士さんが登場した時にわーっと歓声が沸いたので、みんな彼のすばらしさを知ってるのね、よしよしと勝手にうれしくなる私。毎回素晴らしすぎて、いつもながら、本当にかっこよかったです!としか声かけれない💦
そしてドラムのクラレンスペンさん、エレガントなドラム、素敵すぎます。
クラレンスさんはもともとクラシックのドラマーということなのですが、ほんとダンスを踊っているように軽やかに美しい音で叩くのです。私、その動きに夢中だったのでペンちゃんのビデオばっかとって大きい写真がない!
友人のベーシストがジャズはダンスの音楽なんだよ、日本人はダンスは上手に踊らなきゃとかなんかそういう勝手な思い込みがあるけど、音楽を聴いて自然に踊りたくなるのがジャズなんだよ。聞いて踊れないのはジャズじゃないんだよ、という熱弁を聞いてほえ~っそうなんだ~と。私確かにダンス苦手意識だわ。今年のテーマはダンスかな?
メインのコンサートホールでのショウを見た人は、入口でチケットを見せると同じジャズアットリンカーンセンター内のディジーズというジャズクラブでのカバーチャージが無料になるんですよ。こちらはかなり若者のサックスとベースとドラムのトリオ。また次のジェネレーションを担うんだろうなという、私にとっては息子世代を通りこしているようで、やばい、私もがんばらなきゃ!といい刺激(笑)
ちなみに翌日デトロイトで最終日だといっていたのに、7:30pmと9:30pmとてんこ盛りの2セットをこなし、11:30pmちかくにコンサートが終わったのに彼らの演奏をのぞきにきた中村恭士さんもすごい。やっぱりいいミュージシャンは音楽に対して貪欲なんだろうね。(かっこいい💕)
先日のワシントンDCでのNEAジャズマスターのコンサートといい、今回のコンサートといい、ジャズの世界のトップの方々の演奏を実際に見ることができるのは本当にありがたいこと。(しかも帰りの足とか気にせずに大丈夫だしね。)
やっぱりこの街にしぶとく生き続けることができてしあわせだなーと思うのです。音楽の神様、ありがとうございます!
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