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「vol.13 職人さん100人数珠つなぎ」/森 久杜志(Hitoshi Mori)さん/調度指物師&オリジナルブランド”KEI”ファウンダー

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京指物(平安時代に始まる京の木工芸。指物とは、金物の釘や接合道具を使わず、木と木を組み合わせて作られた家具や調度品の総称または技法のこと。一説には、物指しを用いて細工するからともいわれている。)
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森木箱店4代目の森久杜志さん。家業とは違うことがしたいと大学では陶芸を学ばれたそうですが、卒業後木工の世界に求められる表現に面白さを見出し、家業を継がれました。現在、調度指物師として「京の名匠」に認証されています。
森さん曰く、「指物職人は同じようなことをやっているように見えますが、実は毎回同じことはなく、クリエイティブな思考が求められる仕事なんですよ。例えば、鉋などの道具類は自分の体型に合うように自分で作りますし、気候や材によっても使う道具は異なるので、その場その場で扱う道具や手順をアレンジする必要があります。木工の世界の面白さですね。」と。

fb3 掲載 peoducts×12

1: 大切にしている価値観//人が使うものを作る=人を考えるということ//

 清水焼陶器団地に工房を構え、陶磁器に添えられるオリジナルの桐箱をかつてはメインに制作されていました。しかし20年ほど前から桐箱だけ作って生活できる状態ではなくなったため、森さんはやったことないことも頼まれれば“イヤ”とは言わずにチャレンジしながら制作の幅を広げられたそうです。
 そんな中で誕生したのが森さんの代表作“正座椅子”。完成させるまでには、誰にどんなシチュエーションで座って欲しいのかということだけではなく、人間工学的に人の動きを考察して制作するのだと言います。
 理由は、人が使うものを作るということは、使う時に何を考えているのかということが重要であり、思考から所作まで人を考えるということが必要だからだそうです。
 正座椅子では座り心地と使い勝手を追求するため、試作品の段階において座っては削るということを何度も繰り返したそうです。試行錯誤の末、桐という材を用いて、前に向かってつけた絶妙な傾斜によって軽いだけでなく柔らかいおしりあたりで評判となる正座椅子が完成しました。
 森さんの製品は、人が使うものを作っているのだという明確な目的のもと、職人の手と心による使う人に優しいものづくりができるのだと思いました。

fb2 掲載 正座椅子

2: ものづくりに対する姿勢//使って楽しくなるものを作る//

「自分が本当に良いと思ったものを作ると、「「これ、えんですよー。」」と気持ちを込めてお客様に言える!それが大切やと思うんです。」と語ってくれた森さん。
 森さんがデザイナーの梅野聡氏ディレクションのもと新たに立ち上げたオリジナルブランド“KEI”は森さんのモノづくりに対する想いが体現できるラインナップになっています。
 今まで箱は入れる物ありきでしたが、森さんが提案する新しい調度指物“KEI”は箱だけで成立するように作られています。実際に、お客さんからも「何か知らないけど素敵だから購入するわ。」と言われることが多くなったそうです。
 「職人は一人ではできません。材料屋さんや道具屋さん、お客さんとの人とのつながりがあってものづくりができ、人を笑顔にすることができます。喜んでもらえることが自分の喜びになるんです。」
 顔が見え心が繋がるより良いものづくりがお客さんの喜びになり、そして職人さんの喜びへとつながる“喜びの好循環”を形成することができるのだと確信しました。

//森 久杜志さんのブランド//
KEI 京指物の新提案

//森 久杜志さんの会社情報//
森木箱店












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