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十月二十五日・二十六日@スロベニア
十月二十五日
最近インターンにきているスロベニアからの学生と仲良くなり、彼女の住んでいるマリボルという街を訪ねる。ブダペストからはバスで四時間である。
バスターミナルにつくと友達が迎えてくれる。車まで行って荷物を置き、お昼ご飯を食べにいく。モダンなお洒落なレストランであった。ニンニクのクリームスープと子牛の煮込みを食べる。
お昼のあとは学校へ行き、友達の子供三人をピックアップしにいく。13歳のお姉ちゃん、10歳の弟、6歳の妹。特に下二人の行っている学校というのはモンテッソーリの精神を根幹においた変わった学校なようで、いわゆる一般的な時間割みたいななものがなく、自然の中で自由に遊んだり学んだりできるそう。学年が入り混じって一緒に活動する時間もあるようだ。友達もこの教育がいいのかどうかはわからないが、色々試しているところのこと。私はそれと全く反対の教育を受けたので素直に羨ましい。
子供たちを連れて二時間ほど西へ車を走らせる。今日はマリボルではなく、ポストイナというところの鍾乳洞をみて、近くのクラーニというところで一泊する予定とのこと。何から何までアレンジしてくれていてありがたい。
全く知らなかったがポストイナはヨーロッパ最大の鍾乳洞らしい。ガイドツアーで回るのだが、入ってみて驚いた。ほとんどは小さい電車(コースター)みたいなので移動するのだが、少し中を歩くこともできる。写真も何枚かとったか全く壮大さが伝わらないので、興味がある人は是非行って欲しい。あまりのスケールの大きさとそこでの年月の長さを感じて、息を飲んだ。
夜はクラーニに移動して地元の料理を食べ、ロッジでもないが山の麓のアパートで一泊。
アパートと周りの環境とオーナーさんがとてもよかった。家族とか恋人とかときてのんびり過ごしたいような場所だ。
十月二十六日
朝はゆっくり起きて論文が書き終わってなかったので、家族たちが起きてまで仕上げようとするがやっぱりなかなか終わらない。あともう少しなのに最後のディスカッションと論文に添付するカバーレターがなかなかよしとなるような論理にならない。まだ先生とやりとりをするので荒削りでいいのだが、文字にするというのは骨が折れる。
朝ごはんにブルーベリーマフィン、昨日の夜ご飯の残りを食べて出かける。自転車にのって大統領が滞在しているような場所?公園?にいく。多分正式名称を聞いたが忘れた。
その場所にいくまでに道がいまいちよくわからなかったが、誰もGoogle Mapsを開くこともなく、道の人に聞きながら進む。どうやらスロベニアではこういうコミュニケーションが大切なようだ。人々は困ったことがあれば相談し、情報を共有し合う。国全体が村みたいな感じ。
途中で迷ったので一旦宿の途中まで戻り、そこにいたおじいさんに道を聞く。もちろん私は何を話してるのかわからないが、えらく長く時間がかかり15分ほど友達は喋り続ける。後で聞いたら、おじいさんはここのアパートのオーナーのお父さんで、昔はマリボルに住んでたんだけど最近はこっちに引っ越して、でも故郷が恋しいとか、ロシア語がちょっと喋れるとか(その友達はロシア人)、今から行くところはアイスクリームが無料で食べれるとか、とにかく道だけではなくて色々な情報を共有してくれたとのこと。これがスロベニア人らしいのだ。
山をみながら、広い広い道を自転車で漕いで行く。なんてなんて贅沢な時間なんだ。何もかも忘れてしまいたい。
公園に着いたら馬をみたり、アイスクリームを食べたりする。お世辞でも何でもなく、人生で食べた中で一番美味しいラベンダーとカシスのアイスクリームだった。
お昼は友達の旦那さんと合流してみんなでご飯。ターキーのチーズのせのマッシュルームのスープをいただく。
そのあとはブレッド湖までみんなで行く。一番下の女の子が湖から葉っぱとか木の枝とか流れてきたものを拾って集めていた。子供たちが遊んでいる間に、旦那さんと友達と私は紅葉を見に少し歩く。
そのあとは別れて友達と私はリュブリャナへ、家族はマリボルへ戻る。リュブリャナも簡単に街の中を散策して、丘の上に登って街を一望したあと、私たちもマリボルへ帰る。
明日はオーストリアのグラーツへ行く予定だったが、私は疲れたのでそのままマリボルの宿でゆっくりすることにする。