高齢の父と一緒に暮らしながらやりたいことをする
松本の3人展のため家を不在にした約1週間、父のことが気になっていた。
松本へ向けていよいよ出ようと私が玄関にいると、玄関すぐそばのトイレに行くため父がやってきた。いつも履いてるパッチも履かず、なぜかトランクス一枚。トランクスから出ている足の細さにギョッとした。こんなにも細かったっけ?
父が、私の持つ荷物を見て、「大荷物やなあ。5人位で行ってくんか?」と聞いてくる。私の荷物の量で一緒に展覧会する人の人数推測?!まさかの私荷物持ち?!笑
この会話の2時間ほど前に、3人でやるって言うてんけどなぁ…。父の記憶は2時間もたんらしい笑。
家を出て、父のひょろっとした足を思いだし、父のご飯作り半ボイコットやったことをごめんと思いながら駅まで泣きながら歩く。帰ってきたらちゃんとご飯作ろう。そう誓う。
松本滞在中の父のご飯は、全国フランチャイズのまごころ弁当を頼んでみることにした。お昼と晩ご飯は宅配してもらえる。朝ごはんはやってないようなので、作り置きしたおかずを冷蔵庫に入れておいた。ご飯だけなくなったら炊いてもらわなあかんけど。
お弁当の宅配のことを父に伝えたけど、きっと忘れてしまうので、紙に書いて、父にもその内容で意味がわかるか一緒に確認しあい、柱に貼っていった。
松本滞在中は、寝る前に父に電話をするようにしていた。元気にしてるー?と毎度挨拶代わりに聞く。宅配のお弁当を玄関ドアから持ってきて食べてるかを確認。お弁当は、ピンポンして誰も出てこなかったら玄関ドアにかけておいてくれることになっていた。あとは、食べ終わった容器を袋に入れて玄関ドアにかけてるか確認。配達に来てくれた時に、容器を回収してくれることになっている。
電話で聞く父の声にいつもより張りがあるのを感じる。いつもより言葉もちゃんと出てきてる気もする。なんか若返った?笑 やっぱりひとりの方が口うるさい人がおらずで気楽なんかも。そのままそれを父に伝えると、そんなことないでーと笑ってたけど、普段ならそうやなーとノッてくるはずの父のそんなことないでーが、そんなことあるを感じさせた…。口うるさい娘なのだ笑。
とはいえ、電話でお互い普段より優しかった。
私は父に、帰る日お父さんの誕生日やからその日まで元気にしててやーと毎回言っていた笑。それが嬉しかったのか、私が電話をするたびにありがとうな〜と言ってくれた。
突然の伯父の訃報に帰る日が一日早まり、父の誕生日の前日に帰ってきた。
父が元気でよかった。
家の中もなんとか無事やった。
ただ、冷蔵庫のおかずはほぼ手をつけてない状態。電話でしゃべったときは、お弁当の量が少ないって言うから冷蔵庫のおかず食べてって言うたら、食べるって言ってたのに。もしかしたら、小皿に分けてなかったから、自分で用意できなかったのか?
さらに、使用済みオムツを入れるゴミ箱が軽い。ゴミ箱がいっぱいになったら、ベランダに出しておいてもらうことになっていた。渡しておいた替えのゴミ袋が使われずそのまま。ということは、オムツ全然変えてない?
色々気になることはありつつ、伯父の葬儀のことなどで帰ってすぐに父とゆっくり話はできなかった。冷蔵庫の手付かずのおかずのことは聞いてみたけど、食べたでと軽く返ってきただけ。まぁいいや。
伯父の告別式の日が父の誕生日だった。
その日は、市内に住む妹もうちにやってきて誕生日祝いをした。日本酒で乾杯し、ご馳走を食べた。最初は嬉しそうにしてた父も、盛り上がるうちらについていけずか、横になりだした。結局うちら二人だけ大盛り上がりの末、宴終了。
松本にいたとき、電話で話した父の声はあんなにも若返った感じやったのに、帰ってきてからの父は、松本に行く前よりも老けこんだ様子。
帰ってきてすぐは、あの電話の時の感じで、ご飯を用意すれば、ありがとうと言ってくれてたけど、少ししたらそれはなくなり、反応がほとんどない。
そして、やっぱりオムツを全く変えていない。
濡れたズボンのお尻のとこを見て、父に変えなびちょびちょやでと言うと、お尻を触り、ほんまやなあと言う。洗うから脱いどいてーと言ったまま私も忘れてたけど、翌朝、父の部屋に行って脱いだズボンを発見したけど、パンツがなかった。オムツもゴミ箱になかった。
ズボン脱いでるけど、1番濡れてるであろうパンツ脱いでないな笑。
今朝、父がトイレに行く度に滴りあとの残る廊下を見て、そして濡れたお尻を見て、オムツ変えなと言うと、はいはいと、はいを2回言われた。これは明らかにうるさいなーの合図である。父がトイレに行ってる間に、ベッドのシーツを変える。戻ってきた父に、まずオムツを変えてもらうようお願いする。反応がない。
ん?もしや?
オムツ変えよか?と初めて聞いてみた。
嫌がると思ってたけど、すんなり「頼む」と言われた。
そうか、変えるのも大変やったんや。
やっとこ気づいた。
イスに座ってもらって、脱いでもらおうとするけど、足をちょっとあげるのも大変なんや。
ちょっとあげるのがそんなにも大変やったということにこれまた初めて気づく。
次は履いてもらうのん。
これまた足がなかなかあがりません笑。
そして、片足入ったおもたら、もう片方も同じとこ入って一緒に笑う。
笑えてよかった。
今回松本に約1週間行けたのはラッキーやった!
きっと大丈夫!なんとかなる!と思って行った。
来年も松本でやりたいと思っている。
どうなるかはわからんくなってきたけど。
それでもなぜかやれる気がしてる。
それまでは、今いる場所で、やりたいことやってくねん!