【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#15夜
昨夜はまた眠ることがうまくできなかった。
京都に来て、少しだけ眠れるようになっていたのに。
京都にきて、私はバカな錯覚に陥っていた。
なんどもなんどもお姉さんにきいた。
「ほんとうに〇〇っていないの?」
今朝はまた爆発してしまった。
「なんで〇〇がいないの」
「この間まで元気だったのに」
「一回もしんどいってきいてないのに」
「こんなことありえない」
な ん で 〇〇 に あ え な い の
あ い た い
「ごめん、あっちゃん。どうしてあげることもできひん」
なにも言わずおしだまる姉をみて、私も申し訳なくなる。
わかっている、誰も、どうすることもできないことを。
でも、私は〇〇に会いたい。
今私は多くの人の助けを借りて、なんとか日々をつぶすことができている。
感謝しかない。
人は一人で生きていくことができないことを痛感している。
だけど、私は、全てのもの、人ですら失ってでも、〇〇が戻ってきてほしいと願ってしまう。
京都の錯覚ももう錯覚でしかない。
〇〇はどこにもいない。
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