
#95 えっ、これ出すの?【ピンクの〇〇〇】
「ママ、うちのプリンターってA3印刷できる?」
ある日の夜更け、次女からの質問。
「できるよ。プリンターのうしろから用紙入れてみて。」
しばらくして、打ち出されたものは・・・・・・。
えっ、これ出すの?
全面、明るいピンク色。真っ赤なハートが舞っている。
なんだかイニシャルがふたつ。夫となる人の名、妻となる人の名。
婚姻届だ。
「これ出すの?受け付けてもらえるの?」
母の脳内は、はてなマークでいっぱい。
役所でもらう真っ白な婚姻届じゃなくていいの?
受け付けてもらえるんですね。フォームさえ守っていればデザインは問わないんだそうです(役所のホームページで確認した)。
手作りもOK。
空白を全部2人の写真で埋める猛者もいるとか。
次女はお気に入りの届を見つけるために、いくつかダウンロードしていたのです。
いろいろな種類が
婚姻届は、日本国内ならばいつでもどこの自治体に提出しても有効です(提出時に本人証明書類が必要、本籍地以外では戸籍謄本が必要)。そして選択肢も広い!
1. 結婚式場などがインターネット上に公開している、無料ダウンロードできる婚姻届。
無料なので、アンケート必須だったりメールアドレスの登録を求められることも多い。
参考:アニヴェルセル
ハートの中心にイニシャルが入っています。イニシャルの上のリボンのところにお互いの婚約指輪を置いて記念撮影をするそうです。そこまで考えるんだなぁ。
2.有料の婚姻届
写真が貼れたり、キャラクターがついていたりする。提出用と保存用で1セット(保存用には証人欄がない)。自分の好きな絵柄が簡単に選べる。ネットで簡単に注文できる。
(参考サイト:PR TIMES)
私の友人(独身)に「めっちゃ可愛い!! 私もガンバロウという気になってしまう」といわせたリラックマの婚姻届です。
3.指輪を販売している業者が購入者だけに渡す婚姻届
たとえばティファニーではブランドカラー「ティファニーブルー」の婚姻届をくれる)。
人気があり、フリマサイトで売られている。たまに結婚情報誌のゼクシィの付録になっている。
参考:ウェディングニュース
カルティエも、指輪購入者だけに渡される特別の婚姻届があります。
4.以前からある白地の婚姻届。役所の窓口においてあるもの。
私が提出したものです。〇〇年前に。
5.自治体が作るオリジナル婚姻届。各市町村が工夫を凝らしている。ほとんどが無料。
写真を貼る欄、メッセージを書く欄があり、1年間市内のお店でご優待がある。市役所に記念撮影コーナーあり。
見た目もかわいらしく、お得感もあるので人気があります。
お互いにあてたメッセージを書く便せんがついており、生駒市で届出をすると3年後に2人に手紙が郵送される。
3年後には、もっと仲良しになっているかな?新婚時の新鮮な気持ちが思い出せて、良い!ですね。
・花巻市は同市出身の宮沢賢治ゆかりのバラや花巻人形にちなんだオリジナル婚姻届
よくあるパターンですが、役所が一生懸命考えたことが伝わってきます。
なぜ地方自治体が?
人口減に悩む地方自治体は、オリジナル婚姻届を使ってもらうことで、
・住人には自分の町に愛着を持ってもらい、
・他の人にはその地域を知るきっかけとしてほしいのです。
いつか旅行に来てもらえることもあるかもしれない。もしかしたら住んでもらえるかもしれない。そこまで考えた苦肉の策なのです。
東京都にだってオリジナルな届が
人口が一極集中する東京都にもオリジナル婚姻届があります。
「TOKYOふたりSTORY」という政策の一環です。東京タワーとスカイツリーがありますね。
行政の本気に驚かされますが、非婚化、少子化が深刻なのです。人口がどんどん減るだけでは、国として成り立たなくなってしまいます。
同じウェブのページに、各区の婚姻届もあって、センスの違いが一目でわかります。
面白いのが新宿区の婚姻受理届。受理されたと言う証明ですね。手数料が1400円で作成所要時間1時間。高層ビル群がいかにも新宿だけど。うーーーん。。。欲しいかなぁ。
番外編
●テレビドラマ
参考:exciteニュース
ドラマ自体はフジテレビでとっくに終わっています。かなりの数、ダウンロードされたそうですが、今はもうできません。
しかし、これ実際に使った人いるのかな。結婚できたのかな。
●君に決めた!
結婚情報誌「ゼクシィ」(2020年8月)についてきたピカチュウ婚姻届。ピカチュウ90匹いるそうです(裏面がピカチュウだらけ!)
「君に決めた!」はポケモンの主人公のサトシが、バトルするときの決まり文句です。結婚相手も君に決めた!
参考:アニメアニメ
次女の選択
「市町村の婚姻届はおもしろいけど、それで結婚する人が増えるとは思えない」
とバッサリと切り捨てる次女。
「どんなに派手な婚姻届でも受理されるのはわかった。自由すぎて、ちょっとうらやましいよ」と母は正直な感想を伝えます。
すごいなぁ。時代は変わったんだなぁ。
次女「だって真っ白な婚姻届なんてつまらないじゃない。自分の気に入ったもので届けを出したいよ。」
彼氏は「好きなようにしていい」と言ったそうで、こだわりを持つのはいつの時代も女性。
結局選んだのは、薄いピンクの花が描かれている届でした。
次女「役所の窓口に取りに行かなくて済むからラッキー。明日パパに書いてもらわなきゃ」
こうして、自分で選んだ婚姻届を令和2年2月22日に提出しました。
和暦だと2が重なって、
西暦だと20200222という数字の並びがいい。絶対に忘れないから。
ニコニコして報告してくれました。
式は、このような社会状況のため3回も延期になりました。
年寄りは一切出席せず、乾杯も無言で、挨拶回りもなしと、異例づくめの式になりました。
ハワイへの新婚旅行は中止です。
そういえば、ランドセルもピンク色だったよね。
自分で選んだピンク色のランドセル。
自分で選んだピンク色の婚姻届。
次女の新居の一番いい場所に、婚姻届が飾ってあります。
たくさんの選択を重ねて進む
キミの行く先にたくさんの幸せが待っていますように。
ママはいつもいつもあなたの幸せを願っているからね。
読んでいただいてありがとうございました。
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