見出し画像

電車内で2歳くらいの子がセキをしていたら?

昼下がりの電車の中で


12月21日、平日の3時過ぎの電車の中。 

 ベビーカーで乗れる専用場所にて。

山手線内のベビーカーも乗れる専用スペース(写真:毎日新聞サイト)。赤ちゃんが乗っていたのも、このスペースでした。

2歳ぐらいの男の子が
お母さんと一緒にベビーカースペースに乗ってきました。
窓のそばでストッパーをかけて固定。
すれ違う電車を見ていました。 

男の子はときどきセキをしていました。 

お母さんがきかんしゃトーマスが書かれた
ちっちゃなマスクをさせようとするのですが。

男の子は嫌がって、
口から取ると、ポイッと放り投げます。

ほんとに小さなマスク。半分に折ると5センチくらい。


あわてて床に落ちたマスクを拾う
可愛らしい印象のお母さん。
おそらくまだ20代。 


次の駅で、
4歳くらいの男の子と6歳ぐらいの女の子が
母親に連れられて乗り込んできました。 

母親の手には大きなスーツケース。
スーツケースを置きたいので
ベビーカースペースに乗り込んできたようです。
専用の場所はそれほど広くありません。
ベビーカーとスーツケースとでいっぱいです。


2歳の子は時々咳をします。
鼻水はでていないのですが。

お母さんが再びマスクをさせようとしても
またもや放り投げています。
2歳児にマスクは無理でしょう。


スーツケースを持つ母親は
どうもそれが気になる様子。
男の子をじっと見つめていました。

 次の駅に着く直前、
スーツケース母は、二人の子供に向かって
「降りるわよ」
と、言ったのです。

6歳くらいの女の子が「ママ、降りる駅はまだ先でしょう」と言いました。

「いいから降りなさい!」と母親は少し怖い声を出しました。

スーツケースをゴリゴリ音をさせながら引きずって
「早く」と声をかけつつ、降りて行きました。

 そして、そのまま隣の車両に乗り換えたのです。


同じ車両で一部始終を見ていたわたし。

ふと、ベビーカーのお母さんを見ると、うっすらと涙を浮かべていました。

思わず
「ベビーカーで外出するのは大変ですね」と声をかけたところ、

「ご迷惑をかけてしまったみたいで」と答えるお母さん。


「この子は気管が敏感で、
冷たいところから暖かい車内に入ったり、
ほこりっぽかったり
ちょっとしたことでセキが出てしまうんです。
いつも出るわけでもないのですが。」

男の子は機関車のおもちゃを振り回してにこにこ。

たしかに具合が悪そうには見えません。
だけど時々セキが出てしまうんですね。


「 今日はどうしても外出しなくてはいけなくて、
3駅くらいならいいかと思ったのですが。
できるだけこれから電車には乗らないようにします」
と言って
次の駅で降りて行きました。

(画像 JR東日本のサイトより)



両方の気持ちが分かるけど


平日の午後3時過ぎの電車なので、
そこまで混んでいたわけではありません。
立っている人がちらほらいる程度でした。

ベビーカーのお母さんにしてみれば、
大丈夫だと思ったんでしょうね。
でもたまたまセキが出てしまって、
マスクをずっとしていられるような年齢でもなかった。

スーツケースのお母さんにしてみれば、
子供を二人もつれているのに
ちかくにセキをしてる赤ちゃんがいるのですから。
風邪がうつったら大変だと思ったのでしょう。

両方の気持ちが分かるんだけれども、でも何かが引っかかる。


もしもコロナ禍の前だったら?


もしも3年くらい前(コロナ禍の前)

思い出したようにセキをする赤ちゃんが車内にいたとして・・・。
どう思ったでしょう。

小さいから、しかたないなーって。

車両を変えるまでのことはしなかったはず。


でも今はそうではありません。

たとえば
電車の中で咳をする人(大人)がいたら、

その人がしっかりとマスクをしていたとしても

嫌な気持ちになりそうです。


病気を恐れるあまり
なんだかギスギスするようになってしまった。

赤ちゃんの咳ひとつが、 周りに嫌な思いをさせてしまう。

 風邪引いちゃったのかなって、温かく見守ってあげられるような。

そんな世界の方がいいはずなんだけど。

電車に乗る、人と会う、そんな日常に
抵抗力を高めて
他人のセキひとつにビクビクしないようになるしかない。

ちゃんと食べて
ちゃんと寝て
うがいをして手洗いをして
本当に基本的なことしかないですね。


あのベビーカーのお母さんが、引きこもりにならないように。
必要以上に傷つかないように。

おせっかいなおばさんは願っています。

投稿数が1500を超えているため「あつこのnoteの歩き方」を説明しています。 https://note.com/atsuko_writer55/n/n30e37e8ac4dc マガジンをフォローして、もっとあつこのnoteを楽しんでくださいね。 noteのお友達、大好きです!