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#19 人生で初めて5000mの標高に到達。そして歌って踊る週末 in ボリビア

2022年3月13日 domingo
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先週末の6日、初めてラパスの町から脱出し、Wara Warani[ワラワラニ]という山に登ってきた。ボリビアに来て初めての one day trip
朝6時に近くの広場で友人と待ち合わせ。お昼ごはんに、おにぎりとアボカドのサンドウィッチを作り、高山病対策にコカ茶、チョコレートと、くさりかけのバナナをリュックに突っ込んで、家を出発した。そういえば夜明けの街を歩くのも初めてで、新鮮な感じ。

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待ち合わせた場所で友人たちと会う。「薄着じゃない?大丈夫?」など言われ、5000mを超える世界がどんなもんか想像がつかないので、内心、「やばいかな、まあなんとかなるだろう」とは思いつつ、トレッキングシューズを持っていない私は、普通のスニーカーだったこともあり、「やっぱやばいか?本当にやばくなったら無理はしない」と密かに心に決めて車が出発する場所まで歩いた。
車はまず、エルアルトまで登って、10分間の休憩。近くのお店で朝ごはんを買ったり、トイレへ行ったり。あまり治安が良くないと言われるこのあたりなので、用事がないとなかなか来ないのだが、この景色には惹かれる。

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私は、新鮮なバナナ1本と、水、飴を買った。そして、友人たちと車内で食べる朝ごはん用に、API[アピ]も。アピとセットで食されるBuñuelo[ブニュエロ]は、ボリビア人の友人のママのお手製。その朝ごはんを車内でわいわいと食べる。3時間半ほどの道中、窓からの景色はラパスの街とは全く違い、山の連なりをバックに広い大地。草に朝露がキラキラとしているのが、すごく美しくて、何より雄大な景色に惚れ惚れする。ときどき、牛がいたりして、そこでチョリータさんが仕事をしている姿が、たまらなく、いい。車内から写真を撮ろうとも思ったが、車の揺れと眠気から、リュックの底に沈んでいるカメラを取り出す気力を絞り出せなかった。無理はしない。
雨季ということもあって、途中、すごい水溜りの中を車が通る。何度か停車して、車が通過できるよう石を動かしたりと、ドライバーさんがなんかしらの作業をしている様子もみられた。

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車の揺れもそれなりにあって、結局眠れなかった私は、山登りに支障が出たら嫌だなー、と思いながら目だけを閉じ、車中の時間を過ごしていた。目的の Wara Warani が近づいてきたところで車の走る横には透明度の高い水の川。そこをぐるりとまわり、いよいよ山へと登っていく道に入る。また景色が変わって、ワクワクする。(車内からケータイで撮った写真は2枚とも水平をとれていなかった。トホホ。)

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乗っている車がやっと通れるくらいの道をぐるぐると走りながら、どんどん高くまで登っていく。途中の湖で一時停車し、写真を撮る。そこにあった、小さな家。

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そこからさらに少し登って、ようやくトレッキングのスタート地点に着いた。そこでもすでに4700mほどの標高。思ったよりも急な角度の岩がゴツゴツとしている山肌を見て、「本気のトレッキングだなー」と確信した。最初からけっこうな急角度だったのに「ここはまだ楽な箇所」と言われて、「ん???」となる。
でも歩きだすと、そこには色々と楽しませてくれるものがあって、思ったよりもしんどさを感じない。迷わないよう、ルートを示すポイント、ポイントに積まれている石とか、(そもそも私は石が好きで、お気に入りの石を選び出すと時間を忘れる。)

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その色に目を奪われる花とか、

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水を触ったり、雪を食べたり、滝のしぶきを浴びてみたり。

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とは言いつつ、やっぱり息が切れるので、休み休みゆっくり登っていく。日本から持ってきたO2サプリも2滴、口に入れて。(効いていたのかはわからない。)積み石でルートがわかるシステムを理解できてから、道を探しながら登るのがおもしろく、気がつけば友人たちを置いてずんずん登っていた私。何より美しい景色の中に身を置いているのが、最高に気持ちいい。ツアーに参加している他の人たちと話をしながら登るのも楽しい。

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雪がある地点まで行ってからお昼ごはん、ということで腹ペコの私は、大好きな石(と枝)を観察しながらも、そそくさとその地点まで行って、友人たちがやってくるのを待つ。

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やっとみんな到着し、友人が、朝エルアルトで買ったChicharron[チチャロン]や、それぞれ持ってきたものなど、みんなでシェアしながらのお昼ごはん。私はまず、おにぎり。5070mで食べるおにぎり、最高においしい。

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お腹を満たしてから、雪のあるところまで少し登って写真を撮る、ということで、みんなで移動。雪に足を踏み入れてすぐ、つるんと滑るスニーカーのゴム底。「無理だから下で待っとく」と告げるも、最終的には手を引かれ上まで連れて行かれた。雪の深いところは滑らず安定はするものの、なんせ普通のスニーカーなもんで、どんどん水が浸みて足が、寒い。。。踏みしめたところで足の角度が変えられない私の写真がこれ。(ツアー専属のカメラマン女子に撮ってもらったもの。)

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なんだかんだ軽装備でここまで来れた自分を褒めてあげたい、と心から思った瞬間。
そして雪があると、まわりの世界が一気に変わる。自然のすごさを痛感。

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降りていく道中、野生のリャマに遭遇。なかなか会えることはない、と聞いていただけに感動。近くに来ても警戒する様子もなく、ゆっくりと歩いているリャマたち。

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帰りの車中からも、何頭か見て気づいたのは、いろんなデザインのリャマがいる、ということ。それぞれ、どうやって柄が決まるのだろう?
丸一日のツアーでたっぷり疲れたけど、貴重な体験をたくさんできてすごく満足。なによりも自然に癒された一日。


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この週末(12日/13日)はラパスで知人、友人と過ごした。
今月から土曜日の午後にも仕事(私の発案したプロジェクトの定期ミーティング)が入ったので、私の週末は土曜の夜からはじまる。
昨日も午後、ミーティングが終わってから、その担当教員で、ご近所さんでもある同僚のダニエルと立ち話を小一時間した後、またすぐに出かけ、友人たちと夜ごはん。
近所の広場で友人たちと待ち合わせてから、ミニブスに乗ってエルアルトまで上がっていき、食事をするカフェまで歩く。

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広々とした道にぽつんと現れたカフェ。内装が凝っている。

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奥に行くと図書室もあり、イベントも開催されたりするそう。図書室にいた男性のスタッフと少し話をしてから、席に戻る。腹ペコの私たちは、ご飯が運ばれるなり、途端に食べることに集中。食事をすませてから、またセントロ(町の中心地)までミニブスで降りる。窓からは、すっかり暗くなった街の灯りが眺められ、夜風の冷たさも気持ちいい。
その後、私たちはカラオケへ。10年ぶり?(いや、もっと)てくらい行っていないカラオケに、まさかボリビアで行くことになるとは・・・。何を歌っていいのかわからないまま、初のボリビアカラオケ。こちらはインターネットのカラオケで歌うのが一般的らしく、歌いたい歌のカラオケバージョンをYouTubeで検索するというスタイル。一時間カラオケを楽しんだ私たちは、22時過ぎ、ディスコへ踊りに向かう。
こないだ同僚とも行ったMalegriaという Bar & Discoteca で 0時過ぎまで過ごした。カラオケとディスコで、なんとなく、みんなが好む歌もわかってきたりして、それはそれで楽しい。
最近は仕事の方が詰まってきていたので、ディスコで踊る開放感が、最高の気分転換。

そして日曜日の今日は、午前中洗濯をしてロドリゲス市場へ食材の買い出し。アウトドア向けの日除けの帽子もいいものがあれば買っておきたいな、と物色しながら市場を歩く。ロドリゲスから少し奥へ上がっていったところには、靴や衣料品を扱う市場があるので、そっちの方まで行く。するとデニム屋さんの通りで良さそうなパンツを発見。せっかくだから試着してみる。ピッタリのサイズのものは一色しかなく、それを購入。10ボリ値切って155ボリ(約2600円)にしてもらう。しかし、ボタンホールが開いてなかったので、「これ、穴がない。」と店員さんに言うと、「新品だから」という返答。なんだそのシステム?!

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そのあと、配属先の職業訓練校の創設者である、学長のママからお昼ごはんの招待を受けていたので、彼女の家まで行く。着くと、一人、顔見知りの同僚がいて、あとは家族と親しい友人、と紹介を受ける。お手伝いさんの振る舞うカボチャとチーズのクリーミーなスープ、おいしかった。

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そのあと、ラザニアと、食後にはアイスが出され、家族の会話を楽しむ彼女たち。学長のママは、私のことを Mi hijita japonesa (私の日本の娘)と、可愛がってくれている。なぜだか。
一人、歌のとても上手い、カルメンという女性がいて、アカペラでボリビアの古い歌を歌ってくれた。素敵な声で、聞き惚れていると、彼女の口から「スキヤキ」ということば。「ん?日本の料理ね。すき焼き、ありますよ」と私が言うと、「スキヤキという有名な歌があるわね」と彼女。「あー!そうそう」そんな流れから『上を向いて歩こう』を一節歌う羽目になった私。なんだか、昨日今日と、日本の歌を歌わされがち・・・。そのあとも、一人ずつ何か歌う、という謎のルールが発生し、また歌う羽目に。何がいいだろう・・・と、考えた挙句「花」のサビを歌った。「これは沖縄の歌で、歌もそうだけど沖縄には独自の文化があって、、、」と、説明して。ちなみに、ボリビアには「オキナワ」という町があり、その町は戦後、沖縄から移住した人たちが作ったという歴史がある。サビしか思い出せなくて、しかも歌詞の内容も簡単にしか説明できなかったので、帰ってからスペイン語訳つきの動画を彼女に送った。それをカルメンさんにも共有してもらったら、とても美しい歌、と返事。
そんな今日、ボリビアで初めてダブルレインボーを見た。

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ATSUKINO(アツキーノ)

2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
http://nakanoatsuko.com/
https://shadow-candle.com/



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ATSUKINO
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