#17 ボリビア・ラパスでの暮らし。自粛生活を終え、職場に復帰しました。
2022年2月14日 lunes
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二週間ぶりに職場へ出勤。もともとそこまで交流があるわけではないけども、オフィスのメンバーと久しぶりに顔を合わせるとやっぱりうれしい。
やっとディレクターと直接話ができたので、止まっていたプロジェクトもようやく動き出しそう。ようやく。。。
文字だけのやりとり(いや、やりとりともいえないほど動いてくれなかった。)だと、イライラしてしまうところ、顔を見て話すとそれなりに冷静になる。やっぱり会うのは大事だ。
そして、今日はバレンタイン。ボリビアでは、男女関係なくパートナーに贈り物をするようで、パートナーから職場に花束や風船などが届くこともある。となりのデスクの同僚は、旦那さんからの花束と風船がオフィスに配達された様子。「あ!この光景は二年前も見た!!!」と不意に思い出す。
ランチタイムに家に戻り、日本から持ってきた抹茶チョコをリュックに入れた。休憩明けのオフィス。そこにいる人から「ハッピーバレンタイン!」と、チョコを配った。こういうの、やっぱりシンプルに喜んでくれる。
そのあと、デスクで仕事を続けていると生徒らしき男の子がバレンタインの動画を撮るためオフィスへやってきた。バラの花束を一人一人に渡しながらなんか話しかけてくる。おおお・・・巻き込まれ事故。この動画は、配属先のSNSでライブ配信されていたらしい。イベントごとがあると、やっぱりみんなふわふわしている、というか、楽しそうな雰囲気。
そして、夕方5時過ぎに、しっかり甘いケーキが配られた。
そのあと1時間ほど作業をしてから職場を出る。明日の朝のパンを買おうと、近所のパン屋さんに寄って、全粒粉のパンを4つ買った。財布が奥の方に沈んでいたので、上の方にあった抹茶チョコをショーケースの上に置いてお金を払う。お店の人に「抹茶のチョコ、良かったらどうぞ。ハッピーバレンタイン!」と渡すと「¡Muy amable!(とても親切ね!)」と。チョコをあげるだけで、こんな喜んでくれるんだな、と、うれしくなる。
夜になり、昨日つくったチキンとナスのスパイスカリーを同僚のダニエルとその彼女に届けに行く。すると、バレンタインのチョコをもらった。
そんな一日。ちなみに、抹茶チョコはボリビア人みんな、おいしいと喜んでくれる。
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2022年2月19日 sábado
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今週は気がつけば、週末、、という感じで、なんだかんだ忙しく仕事をしていた。提案しているプロジェクトの参加希望者とのミーティングの調整と、昨日の夜、初めてのCLUB de INTERCAMBIO(私の提案したクラブ活動的なもの)をオンラインで開催したので、そのプレゼンテーションの準備に、来週から始まる(予定の)連続ワークショップAPPLEの準備など。いよいよ仕事ができる段階になったかな、という感じ。(やっと・・・)
基本は自分のデスクで、一人黙々と作業をしているのだが、何らか予期せぬできごとに巻き込まれたり、オフィスのメンバーと他愛ないやりとりがあったり、気分が変わって楽しい。
来週の月曜日から新たに一年生の学期が始まることもあり、今週はみんな忙しそうで、エンジニアの同僚も連日、経営マネージャーと何だか激しくやり合っている様子。何が起こっているのかわからない私は、大変そうだなー、と遠くから見ているだけですが。昼休みに私と、そのエンジニアの同僚だけがオフィスに残っていたとき「¡Es tu culpa!(お前のせいだ!)」と彼が私に叫んだ。「¿Qué?(何?)」「ついてない時には、¡Es tu culpa! て言うんだ」と笑う。もう一人のエンジニアのミッキー(たぶん、本名はMiguel=ミゲル)は、みんなから愛されるキャラクターで、話しかけやすい。私のパソコンからプリンターに直接接続して出力できないか?と相談したら、日本語表示の私のパソコンでも「たぶんこれが○○だろ?」と、設定の入力をしてくれ、使えるように整えてくれた。優秀・・・。そんな助けもあり、一回目のCLUB de INTERCAMBIOは、無事に終了。直前の告知にも関わらず40名ほどの参加者があり、参加してくれた生徒の反応もよかった。後半の質問にうまく答えられなかったのが申し訳なく、やっぱりスペイン語、勉強せねば、と痛感。うまく答えられなくてごめんねー!
そしてやっと、の土曜日。今日は朝からいい天気なのでシーツを洗濯してゆっくりと掃除をはじめる。
買い物にも出かけたいが、水のボトルがすでに空っぽになっていたので、頼んでおこうと電話で注文した。来るのは午後かな、という読みははずれ、13時前には到着。
ロドリゲスへ買い出しに行き、無性に魚が食べたくなった私は、お昼ご飯に Trucha[トゥルーチャ](=マス)を食べた。店内の席をすすめられたが、いい天気なので外のテーブルにつく。
夏の陽気なのでアイスを売る姿もちらほら。休日気分が強いのは、ようやく仕事らしい仕事ができているからか。やっぱり緩急が大事だ。
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2022年2月20日 domingo
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今日は同僚に誘われ、午前中アーチェリーの練習に出かけた。10時半ごろに家に迎えに来てくれ、ミニブスで30分ほどのところにある練習場に向かう。初めての場所へ出かけるのはそれだけでワクワク、遠足気分。しかも着いた場所の景観が気持ちよく、アーチェリーの他に、バスケットコートや公園もあり、クライミングの練習をしている様子なども見られる。コーチの女性を紹介してもらい、道具を貸してもらう。ちなみに教えてくれるコーチはボリビアチャンピオン。同僚曰く、とても親切で素敵な人だけど、練習になるとすごく厳しいらしい。道具の扱い方や、注意事項などを聞き、基本の動作を教えてもらったあと、「今日は初めてだから、自由に楽しんで!」と、的の距離が近いところで練習を始める。同じ時間にレッスンに来ている子どもたちも数人いて、次々と的に矢を放っているその姿が様になっていてかっこいい。
休憩時間にコーチのアドバイスを聞いたり、雑談したり、と楽しく過ごし、また練習場に戻る。
2時間ほど練習した後、同僚とともに家へ戻る。夕方からはボリビア人の友人ふたりと、うちで親子丼をつくる予定なので、汗をかいた服を着替え、ご飯を炊く。さっきまでのいい天気が一転、午後4時頃になって雹が降る。普段はあまりお酒を飲まない友人が、私に合わせて?ビールを買ってきてくれた。チョコレート風味と蜂蜜風味の2種類。ボリビア人は甘い飲み物が好みのようだ。3人で楽しく喋りながらのごはんなので、ついついたくさん食べてしまった。
そして、ご飯のあと、私に髪の毛をそろえてほしい、という友人の髪を切る。切り終わって、床に落ちた髪の毛を自分で掃除する彼女の姿がおもしろく、写真に収める。
すると「もうひとつお願いがあるんだけど、、、」と私に抱きついてくる彼女。モジモジしながら「前にアツコがしていたピアスを貸してほしい」と、私がつくったピアスを一週間貸してほしい、という。「あんまり使ってないし、いいよ」と、そのピアスを彼女に渡した。なんだか妹のようでかわいい。休日らしい休日を満喫。
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ATSUKINO(アツキーノ)
2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
http://nakanoatsuko.com/
https://shadow-candle.com/