#5 ボリビアでの(3回目の)週末
2021年12月11日 sábado
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ボリビアに着いてしばらくは生活に必要なものを揃えたり、で買い物に行くばかり。そろそろ暮らしに必要なものも揃ってきて、ゆっくりと休日を過ごせつつあるこの週末。今日は午前中、部屋の掃除。庭に出てきた大家のエリカさんに、部屋の窓から先週末作ったピクルスをおすそ分けする。午後はPumakatari[プーマカタリ]という公共のバスに乗り40分ほどの施設へ泳ぎにいく。バスの時刻表はあってないようなもので、(まだ交通の仕組みをよく理解していない、というか使いこなせていない私。)バス停で20分ほど待つことに。施設に着くと受付で利用の手続きを済ませ、プールに入る。私のほかには家族連れが3組ほどいるだけで、わりと静かだった。隣のコースでは浮き輪やボールで小さな子が遊んでいる。
目標の1km少し泳いだあと、ゆっくりサウナで体を温めてから午後5時すぎに施設を出る。施設前のバス停でPumakatariを待つも、いっこうに来る気配がない。しかたなくミニブスをつかまえ、Calacoto[カラコト]のSan Miguel教会まで行く。ミニブスはフロントガラスに行き先が表示してあり、(このごちゃついたグラフィックにも、なんだか惹かれる)それを見て、自分の行き先に行くものに乗る。そして降りたい場所で「¡Me quedo! [メ ケド]」「¡Voy a bajar aquí![ボイ ア バハール アキ]」などと叫び、降ろしてもらう。結構ぎゅうぎゅうに乗るので、コロナ感染対策的にはどうか?ともおもうが、待てども来ないPumakatariよりもはるかに多くビュンビュン走っているので、やはり利用頻度は高くなる。
San Miguel教会前の広場はすっかりクリスマスの装いで、教会の中ではミサらしきものが行われていた。夜には、元JICAボランティアの方の誕生日パーティに、ボリビア人の友人たちと会う予定。会わなかった時間のいろいろを話し、気がつけば午後11時近く。お店を出て、少しだけクリスマスムードの街を楽しんだ。
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2021年12月12日 domingo
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昨日は夜遅く帰宅したので今朝は9時くらいまでベッドの中でごろごろ。起きて洗濯をし、朝のジュースをつくって飲む。雨季なのでほぼ毎日雨は降っているが、今日は快晴。午前中映画でも観にいこうかと思っていたら、昨晩会ったボリビア人の友人から、「El Alto[エルアルト]の市場に買い物に行くけど、一緒にどう?」とメッセージがきた。せっかくだし「一緒に行く」と返事する。ドライヤーとフレンチプレスも買いたいと思っていたのでちょうどいいか、と。ボリビアはコーヒーがおいしいので存分に楽しみたく、コーヒーミルは持ってきたのだが、今は茶こしボールを代用にドリップしている。けっこうな頻度で粉をカップの中にこぼすので、切ない。
近くの広場で待ち合わせ、ミニブスに乗って標高4000mを超えるエルアルトまで上がっていく。天気がいいので車内に吹きこむ風が気持ちいい。エルアルトに着くと、たくさんの人で溢れかえる様子。着いてすぐ、しぼりたてのオレンジジュースが1.5ボリ(約25円)であったので、さっそく買って飲む。ボリビアは季節ごとに旬のフルーツがいろいろあり、楽しい、し、おいしい。エルアルトの市場はラパスでも歴史が古くその規模もすごい。ただ盗難には注意しなければいけなく、荷物は前に抱えて歩かないと危険。カメラを持っていったものの、なかなか撮影する勇気のない私。ぶらぶら歩きながら、お互い目当てのものを探す。パンツのディスプレイがすごかったので思わずケータイで撮る。
12時を回ってお腹も空いてきたので、昼食をとる。魚が食べたかった私たちは、行列をなすこのお店で食べることにした。周りを見ると、ほぼみんな同じものを食べている。
揚げた小魚、チューニョ(乾燥させたイモ)がモリモリに盛られたお皿。そのままお持ち帰りできるようにか、お皿にビニール袋が巻かれている上に盛られている。なんと合理的。私もつられてこのメニューを注文。
みんな黙々と小魚を口に運ぶ。手の使い方が慣れているのか、その所作にかっこよさを感じて、ついつい見てしまう。。。
さすがにこの量は食べきれなく、お皿に巻かれているビニール袋をしっかり利用し、お持ち帰りする。心なしか、お腹がやんわり痛い?・・・たしかに衛生的にどうなのか疑わしいところもあるが、「気のせい気のせい」と自分を騙すことに決めた。
本当に巨大な市場で、どこまででも続いているかのようにお店が並んでいる。3時間ほど歩き、友人がここに来るといつも食べるというChantilly[チャンティリ]を食べ、少し休憩。
チョリータの正式な衣装が売られているのを見つけ、少し覗く。いいものを全て揃えようとすると数万円かかり、けっこうな高額になるチョリータの衣装。生地を選び仕立てたり、時代によって着こなしに変化があること、黒を基調としたスタイリングを見て「かっこいい!」という私に「あれは未亡人が着るスタイル」など、型があることを知り、着物と似ていると感じた。
少し歩くと、チョリータの山高帽が並ぶお店。帽子も高いものはかなり高額で、そのため、雨の日やカルナバルで、帽子に水がかかりそうな時にはビニール袋でカバーしたそれをかぶるチョリータさんを見かける。思いがダイレクトに形になるところ、キュンとします。
日差しが強いラパスなので、つばのある帽子があれば、、、とおもっていたところ、可愛いチョリータ帽を見つけたので、購入。これはそこまで高くなく、さらに友人が値切ってくれて140ボリ(約2300円)。特別な帽子なので、いい買い物ができたとおもう。
強い日差しの中、標高4000mの青空市場を4時間ほど歩いて疲れた私たちはミニブスに乗って帰ることに。友人は車内でぐっすり。私が降りる場所に着き「またね」と別れ、家路につく。帰宅し、庭で洗濯物を取り込んでいると、エリカさんの飼っている犬と猫が歩いてやってきた。
そしてエリカさんも登場。「¡Hola!」とあいさつするなり「あのピクルス、すごくおいしかった!」と、エリカさん。ひそかに好評の私のピクルスは、スパイスやニンニクも漬けているのでパンチが効いている。ピクルス液の配合は、東京の帝国ホテルでもその腕をふるっていた友人のシェフに教えてもらったもの。いまは大阪で「ラ・スピーゴラ」というイタリアンレストランをやっているので、お近くに行く際にはぜひ!
週明けのミーティングに備え資料を整えねば、とおもいながらも、くたくたの私は体が動かず・・・。そんな感じでこの週末は終了。
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ATSUKINO(アツキーノ)
2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。
現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
http://nakanoatsuko.com/
https://shadow-candle.com/