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星や月を怒らせてはいけないよ

 小さな窓から入る光は薄い黄緑色に輝いていて、その光の源はやがて西へと姿を消した。
 やがてコンビニの光や、街灯が私の部屋を照らし出す。空の色を忘れてしまったかのように皆の声がする。
 霞む明かりが、雲間からこちらを覗いてはその眩い光に嫉妬して、いつの間にか顔も見せなくなってしまった。
 途端に雨が降り出した。先ほどまでの声々が悲鳴に変わり、大粒の雫たちがアスファルトを打つ音が耳の中に響いていた。

 時計の短針が「2」を指す頃、雨は止み、外には冬の空気だけがピンと張り詰めていて、そこに人の声は無かった。空を見上げると満足気に輝く明かりがこちらを見ており、「あなた素直でいい性格してるのね」と思わず呟いていた。
 
 私は行きたい場所リストの中に1つ名前を追加した。

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