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スタートレックのある人生『500ページの夢の束』

『スター・トレック』が大好きで、その知識では誰にも負けないウェンディの趣味は、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くこと。自閉症を抱える彼女はソーシャルワーカーのスコッティの協力を得てアルバイトも始めた。ある日、『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知った彼女は、渾身の作を書き上げるが、もう郵送では締切に間に合わないと気付き、愛犬ピートと一緒にハリウッドまで数百キロの旅に出ることを決意する。(公式サイトから)

スタートレックを見てきた人生、見てこなかった人生がある。わたしは残念ながら後者。
この作品を観ていた時間、スタートレックを見てきた人生を羨ましく思った。
スタートレックフリークの登場人物たちとウェンディとのやり取りはきっともっと可笑しいんだろう。

ウェンディを精神的に支え、強くするのはスタートレックで、冒険に出てからも助けてくれるのはスタートレックだ。

彼女にとってのスタートレックがみんなにも必ずあるはずで、その支えを宝物にすることの美しさがわたしには響いた。
過度な演出が無くて、冒険といっても割と穏やかなのがよかった。

自閉症の描き方についてはどうだろう。
少しご都合主義的なところがあったかもしれない。
ドキュメンタリー映画では無いので、監督のフォーカスしたいところは病気について細かく描くところでは無かったのかもしれない。

映画の中でのウェンディは横断歩道を渡ること、バスに乗ることから冒険が始まった。
作品は3日間を中心に描かれていたけれど、あの冒険が終わったウェンディが、また日々の小さな冒険をひとつひとつ乗り越えていっている様子が想像できる。
真の友の姉と、仲間たちに支えてもらいながら。

ポスターは英語版の方が険しさがあって好み。

#映画 #感想 #ダコタファニング #500ページの夢の束 #ベンリューイン

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