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母たちの、ヨーグルトケーキ

ヨーグルトケーキを習って作ったことがある。

ヨーグルトといえば、わたしが小学生のころに通っていた、学童保育所。学校が終わってから17時過ぎまで、大勢の子どもと過ごした。だいたいの子どもは外遊びが好きなので、近所の公園で探偵(ケイドロ、ドロケイ、ドロジュン、地域によって呼び名が変わると知ったのは大人になってからだ)をしたり、だるまさんがころんだ、ゴムとび、ドッヂボール、とにかく追いかけっこをして遊んだ。

わたしも何となく周りについて行って外遊びをしていたが、学童保育所の中にある本を読むほうが好きだった。冒険図鑑やマナー本という、読み物ではない本のほうが記憶に残っている。いや、学童保育所でのヨーグルトケーキの思い出の話が先だ。どんどん、ヨーグルトから遠ざかってしまう。

あれはまだ週休二日制が試行中で土曜は隔週で午前だけ授業があった時期のことだったのか。夏休みのことだったのか。
おなじ学童保育所に子どもを預けるお母さんが、お菓子作りを教えにきてくれた。時々、そういうイベントがあったのだ。お味噌を作ったり、わらじを編んだり、山で拾ってきた蔦で籠を編んだり。

それはヨーグルトケーキだった。ビスケットを砕いて、土台にする。ヨーグルトをどうにかしてその上に乗せた状態にする。甘酸っぱい美味しさ。おしゃれ。砕いたビスケットをタルト生地代わりにするという発想。

ここまで書いて、わたしはコープさんで母がときどきもらってくる、ハガキサイズのレシピカードのことを思い出す。表面にできあがり写真、裏にレシピ。もちろん材料はすべてコープさんで調達可能だ。
お菓子作りが好きな母は、よくコープさんレシピによるケーキを焼いてくれた。そこにヨーグルトケーキがあったのではないだろうか。砕いたビスケットに甘酸っぱいヨーグルト。

学童保育所では指導員さんも時々来てくれるよそのお母さんも、その日のお母さんだった。おしゃれなお菓子もそうでないおかずみたいなおやつも、砂糖水で作るだけのべっこう飴も、ヨーグルトケーキも、わたしの母たちが一緒に作ってくれた三時のおやつだった。お母さんたちはヨーグルトケーキのことを忘れてしまっただろうか。わたしはヨーグルトケーキの斬新さと甘酸っぱさを、忘れられない。

(ちなみにレシピ検索したら割とメジャーなものらしくたくさん出てきました)
参考レシピ:今日の料理 ヨーグルトケーキ

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