やっと観れた、『ザ・ビッグハウス』
やっと観れた、『ザ・ビッグハウス』
想田監督他による観察映画。
アメリカ・ミシガン州。
ビッグハウスと呼ばれる、巨大アメフトスタジアムの数日を観察する作品。
語りやインタビューがなく、ただ観察していく作品なのが好みに合っていた。
例えばNHKのドキュメンタリー72時間が湿っぽくて苦手だから。
“このコインランドリーは数十年の町の風景をずっと眺めてきた”
“時にはひとり、淡々と歌いたい、そんな人たちを静かに待つカラオケ店”
みたいな感じだ(すべてわたしの勝手なねつ造ナレーションイメージ)。
寂し過ぎてしまうのだ。そこに人生が絡むと。
『ザ・ビッグハウス』…
淡々と観察していく中で、真実がわからなかったりする。気がつくと、場面に、悲しみをわたしが勝手に色付けしていることもある。結局、人情味みたいなものを自分が求めているのかもしれない。
裏方たちの動きが好きだ。
『ソーセージの借りは返したぜ』とか言ってにやりと笑いあう厨房スタッフ。
洗剤とお湯で腕がべったり濡れている洗い場のスタッフ。
車。
ロボットアームを持つ、巨大ゴミ収集車。
医療スタッフ用のカートは甲子園で見た、選手を運んでくる車みたいだ。
路上での物売り。
ミシガン寒いと笑う太鼓叩きの路上パフォーマーおじさん、ラップがかっこいい。
ミシガン大学のブラスバンドメンバーたち。
練習中は上半身を脱いだりタンクトップ一枚になったり、汗をかきながら楽器とともに走る。
スクールカースト間違いなくトップのチアリーダーたちは意外とお腹ぽっこりを隠さない。
アメリカの問題が見え隠れしているのかは、知らない。
知らないと書きつつも想田監督のインタビューをラジオ番組で聴いていたので、少しだけ背景は理解していたけれど、それは忘れてただ観察を楽しんだ。
淡々と観察できる楽しさを観客が感じる、そこまでにどれだけの編集作業があるのだろう。
ここに感想を書いた、さあ心置きなく監督インタビュー記事を検索して読み漁ろう。