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リンゴと飛び散る血

リンゴの皮を剥く。ところどころ皮が残っていても気にしない。気にしているのは、包丁で指を切ること(または、切らないこと)だ。不器用なので、指先を切らないように慎重に皮を剥く。

四歳くらいの頃だろうか。ティッシュの空き箱が大好きだった当時のわたしは、母に安全剃刀を使わせてもらって、空き箱を切って遊んでいた。その剃刀で指を切った。賃貸の狭くて古いアパートのふすまに血が飛んだ、ような気がする。
その時の恐怖があり、包丁をおそるおそる使う人間になった。怖いのでピーラーを使ったらピーラーでサクッと切ってしまった。最近のことである。どんくさいのだ。

安全剃刀の形とふすまに飛んで古くなった血の色を覚えているような気がするけれど、自分の脳が勝手な映像をつくりあげているような気もする。
ティッシュの空き箱で工作をするのは、今でも好きだ。

#怪我 #思い出

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