C代表のSさん

この人のお名前を最初にインターネット記事で読んだのはいつだったか。驚いた。小学校の同級生だ。間違いない。珍しい苗字だし名前も子どもながらに良いお名前だと印象に残っていたのだ。Sくんだ。割と優しくて、賢かったSくん。びっくりしてインタビューや経歴やらを検索して読み漁った。

Sくんはモンチッチみたいだったけれど、大人になって随分見た目が変わったようだ。小学生の頃から賢くて、私立中学に進んだのは間違いない。でもそれが経歴に書いてあった灘中だったかどうかまでは覚えていなかった。なにしろ当時のわたしは受験のことなんてまったく理解していなくて、中学の先の高校というものの仕組みもよくわかっていなかった。
とりあえずわたしが住んでいた地域は有名私立中学が多くて、そのせいか私立受験の準備をしている人も多く、賢かったSくんが私立に行ったのもナチュラルなことだった。

そして、今の活躍だ。小学校卒業以来、接点はまるで無いが、同級生の活躍は嬉しいしなんだか勝手に応援したくなる。

ある日、思わずそのこと、彼のことを応援したくなる同級生だということをTwitterで呟いた。意外なことに、すぐにリプライが本人からとんできた。まめにエゴサーチをしているのだろう。何回かやり取りをしている中で、彼は隣のU森小学校出身だと言うのだ。そして自分の一族の居住地はだいたい把握しているが、わたしの出身校あたりにはいなかったことも伝えてくれた。こんなに名前も印象も覚えているのに、なぜ、でもそうかご本人が言うのだからそれは間違いないことだ。ポカンとしながらリプライをくれたことにお礼を言って、やり取りは終わった。同級生では、なかった。

あんなに珍しいお名前、同じ学年の生まれ、SくんはあのC代表のSさんでは無いのか。わたしは確かにあの名前って良い名前だと思っていたのだ。そして実際は神戸市の隣の小学校出身だったことも。なんでニアミスなんだよ、と、やり取りがあった後もずっと狐につままれた感覚でいる。そしてこの感覚が不思議で気に入っている。

（Sさんご本人は割とまめにエゴサーチをしているので、ここではイニシャルにしておきます。
もう会話としては終わったことだしウザ絡みしたくないので）
（でも書いて、残しておきたい不思議な感覚だったのです）