『パラサイト 半地下の家族』を観てひと駅歩いた(ネタバレなし)
2020/01/11
『パラサイト 半地下の家族』を観に行く。映画を公開日すぐ(厳密には1日遅れ)で観たのは久しぶりだ。話題になっていたのと、予告編やあらすじからこれは観ようと決めていた。
観ていてうすい既視感を覚える。『万引き家族』や『家族を想うとき』のような貧困のスパイラルから抜け出せない家族の物語だから。とはいえその既視感は根底に流れるものだけで、この作品の強い振り切り度合いは気持ちがいい。
ブラックコメディとして笑えるところ、たくさん。劇場でしっかり笑っていい。
北朝鮮ジョークあり。
わたしはホラー・スリラー・クライム映画が苦手だ。最近観たもので怖かったのが…
『ゲット・アウト』
劇伴、効果音で怖がらせるタイプ。
何度も椅子から飛び上がった。
『デトロイト』
とにかく怖いし悲しいし史実だし生きてる人間が怖くてたまらなくなる。観て後悔は無い良質な作品だけど精神的に二度は観られない。
『パラサイト 半地下の家族』は音で怖がらせる作品ではない。劇伴はおさえめでわかりやすい。韓国の現代社会の問題を下敷きにしているけれどフィクション味がしっかりするのでバランスがいい。心に余裕をもって観ることができる。
この作品はネタバレ厳禁なのであまり感想を書くことができない。だからかな、観賞後にすでに観たという人を探してはDMを送りつけたりなどした。語りたくなる作品ということ。
鑑賞前でも読めるページは以下。これは先に読んでいてもいいかもしれない。
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)をより楽しむための韓国文化キーワード7つ(ネタバレなし)
https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=26119
映画を観終わってスターバックスが入っている映画館を出ると、曇り空は晴れてたくさんの家族連れがのんびりと歩いていた。まぶしい。カジュアルながらもすっきりとした格好をして、ひろい道をゆったりと歩いている。映画館のあるみなとみらいはタワーマンションが多く、思わずかび臭い半地下から出てきた人の視線になってしまう。心にざわっとしたものを抱えながらひと駅歩いた。