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『存在しない女たち』読書会第一章

第一章「除雪にも性差別が潜んでる?」

すべての国について、性別で区分された一貫性のあるデータが存在するわけではないが、存在するデータを見るかぎり、徒歩や公共交通機関によって移動しているのは、どの国でもほぼ例外なく女性のほうが男性よりも多い。

『存在しない女たち』
P42

この章でも徹底的にデータを用いて、どれだけ女性がデータの中に存在していないかが語られる。
データは重要。
でもその読み方も重要。

女性は非定型な行動パターンが多く、それは無償ケア労働の結果でもある。
交通計画、運輸業全体が男性優位で、彼らは女性のとるパターンが理解できない。荷物の量も。

理解できないから、データに含まれていないからといって、それが無視していい理由にはなりませんよね? っていう話。

東京の地下鉄は古くからあるからつぎはぎで、ベビーカー・車いすユーザー・荷物の多い人・とにかく困っている人にとって使いづらいよね。
駅から出たら出たでタクシー乗り場が遠かったりする。

(読書会での声)

ブラジル、ウィーン、フィラデルフィアの例があげられるなかで、オリパラの話になった。

そういえば、パラリンピック誘致するから東京都心ってバリアフリーが進むんだと夢見てた。あれってどうなったんだろう?
結果が知りたいね。

(読書会での声)

などなど。
公営住宅の話では、日本のむかし(昭和)の公団って、もしかしたらいい線いってたのかなって話にもなりました。

本章は20ページほどなんだけど、どれもすべてアンダーラインって感じで、またしてもポストイット貼れず。
だってポストイットだらけになってしまうから。

読書会が終わってからで何なんだけど、欧米の交通政策データオンリーだったので、ためしに日本語論文検索してみた。

『高齢社会における地域公共交通の再構築と地方創生への役割 ─三重県玉城町と長野県安曇野市におけるデマンド交通の事例から─』(野村実,立命館産業社会論集,2015年)がおもしろかった。

移動困難者が増えて、地域公共交通が減ってるなか、なんと社会福祉協議会(なんとってわたし的には思うが業界的にはふつうなのか?)がイニシアチブをとることのメリットが!
ということが含まれています。
政策決定に女性が含まれていないという『存在しない女たち』にかかわるような話は、このあたりでしょうか。

またB市では,地域公共交通会議にバス利用者やバス運転手の出席はなく,町内会長や有識者の みが参加していた。そのため,現状として知ることができるのは利用者数や収支といった「結果」 のみで,採算性に主眼を置いた議論が繰り返されていた。

http://www.ritsumei.ac.jp/ss/sansharonshu/assets/file/2015/51-2_04-08.pdf

読書会前に読んでおけばよかったー

さてみなさん

来週土曜の夜20時半からまた30分ほど、TwitterのSpaceで読書会をひらきます。
次回は第二章「ジェンダー・ニュートラルな小便器?」でございます。
ぜひご参加ください!


第二章からはこちらをご覧ください

https://susono-letter.blogspot.com/2021/12/twitterspace.html


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