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ふつうのお母さんじゃなくてごめん

前回からの続きストーリーとなります。
まだご覧になっていない方はぜひお読みくださいね。

✮第1話  田舎の大将
✮第2話 4歳児、異例の骨切り手術
✮第3話 痛みを乗り越え広がった世界
✮第4話 健康オタクへの目覚め
✮第5話 30年の時を経て、事件は起こった

突然の股関節に激痛が起きて歩けなくなったAtsucoは
すがるように整形外科を受診した。

当時Atsucoの足のレントゲンを見た先生にはこのように言われた。

「30年前の手術の寿命が切れたようなものです」と。

そして『変形性股関節症』との診断を受けたのだった。

そのときの実際のレントゲン写真
(左側の骨盤と股関節の間の軟骨が
   すり減ってくっついている)

「まだ年齢的には早いので、痛み止めを使いながら経過を見て
時期がきたら人工関節手術をすることになるのかな」と。

そして股関節周辺の筋肉をつけるようにとリハビリを勧められた。
が、リハビリに通ってもいっこうに足がよくなる気配はなく…

その後、その先生に
大学病院から月2回来る股関節専門の先生に相談するよう
勧められたので受診してみると
さらにショックにトドメを刺される事態に!

「先生、どうしたらこの股関節はよくなりますかね?」
と聞いてみたところ

「あのね、その質問は
 『先生、どうしたら顔にできたシミはなくなりますかね?』って
 聞いているのと同じことですよ!
 つまり老化は止められるわけないんですよ!

嘘みたいだが本当にこんな言い方をされて
それはショックでがっかり肩を落として帰宅した。

(何でわたしは困っていて相談したかっただけなのに
 お医者さんに怒られなくちゃならなかったんだろう…)

(わたしの足は悪くなる一方で、よくなることはないんだ…)

もう絶望しかなかった

当時Atsucoは育休中だったので
自宅で家事と子育てだけをやっていた。
にもかかわらず足の痛みのせいで
日常を送るだけでも毎日が辛くしんどかったのだ。

夕方、夕食の準備前には身体全体がだるく
辛くなってしまい
少し休んでからでないと取りかかれないほどだった。

子どもを公園で遊ばせていても
周りのお母さんたちは子どもたちと一緒に
追いかけっこしたり走り回ったり
楽しそうにしているのに
自分にはそれができない。

子どもがもっと遊びたがっていたとしても
長時間歩けない、疲れてしまう自分の身体の都合で
好きなようにさせてあげることができない。

自分の不甲斐なさに
どんどんAtsucoの気持ちは落ちていき
心を閉ざすようになっていった。

「ふつうのお母さんじゃなくてごめん」
いつも心の中で思っていた。

こんな身体の状態で仕事に復帰して
仕事と家庭、子育てを両立するのは到底無理だと考えて
ついに仕事も復職せずに退職することにした。

身体もメンタルも、もはやどん底になっていったAtsucoは
今後どうなっていってしまうのか?

行き場のない心の闇の中でもがいて見つける一筋の光…

次回に続く…

最後までご覧いただきありがとうございました。
毎日21時に最新話を公開します!
どうぞお楽しみに。


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