愛が見つからない?心の奥底に埋もれたパートナへの気持ちの見つけ方と伝え方。
「体感しないと、できるようにならないんです」
ぼくのポッドキャストに何度か出演してくださっている上遠さん(臨床歴25年の心理士さん)が、先日そうおっしゃったんです。
夫婦関係を改善するには、ふたりが心の奥にある柔らかな感情を伝え合い、受け止め合う必要がある。
ふたりがお互いの愛着を感じ合うことで、絆が強くなる。
だけど、柔らかな本音をさらけだすことは、ナイフで切り裂かれるような痛みも伴います。
「夫を大切に扱うことができない」
「妻を愛しているのに、妻は信じてくれない」
そんな話を今まで何度も聞いてきました。
だから別れよう。
だから婚外恋愛をしよう。
そう考える人も少なくありません。
ですが、夫婦がうまくいかない原因の多くは、「柔らかな本音をさらけ出す恐怖」なのではないかなと思うのです。
ぼくも妻に本音を伝える際に、涙が出るほど恐怖を感じる瞬間が今でもあります。
では、どうやってそこを乗り越えるのか?
それが「体感」の積み重ねです。
※暴力などのDVは相談機関にすぐ相談することをお勧めします。また、トラウマ起因のケースも専門家にご相談されることを強くお勧めします。
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夫や妻に本音を言うのって辛いですよね。
受け止めてもらえないんじゃないかな。否定されるんじゃないかな。
そんな恐怖を感じますよね。
どうせ言っても無駄だから、話すのはやめよう。
そう思えてしまいますよね。
ぼくだってそうです。本音を自分にとって大切であるはずの人に伝えるのって、怖いことなんです。
上遠さんのカウンセリングでは、相談者のご夫婦が目の前で喧嘩を始めることもあり、そんなときはキャスター付きの椅子でさっと二人の間に入り込むそうです。
夫婦喧嘩がヒートアップすると感情が高まり、言わなくてもいいことまで言ってしまいますよね。
自分の気持ちをうまく伝えられない。相手が受け止めてくれない。どんなに言葉を重ねても、二人に愛が戻ってくることはないんだ。
そんな絶望を感じることもあると思います。
ぼく、ずっと疑問に思っていたことがあるんです。
世の中には夫婦関係改善のためのヒントがいっぱい転がっています。書籍、動画、音声(ぼくのポッドキャストもそう)など。
これだけ参考になるものがあるのに、なぜ世の中から夫婦喧嘩がなくならないんだろうと。
ぼくが個人的に相談に乗っている方たちも、全員が関係を改善できたわけじゃありません。むしろ、うまくいかないケースの方が多いです。
でも、こういった情報に触れた人は、「夫婦には愛着が必要。愛着形成のためには素直な本音を伝え合い、受け止め合うことが大切」ということは頭では理解しているんです。
でも、うまくいかない。
なぜなのか?
それは「体感」がなかったからです。
どれだけ、夫婦の片方が知識を仕入れても、「柔らかな感情の共有」という体験をどちらもしていないために、大きな変化が起こらないんです。
ぼくの場合、女性の相談者さんは、夫への接し方を変えることで夫を変えるケースが多いですが、男性の場合、「柔らかな感情の伝達」がうまくできず、妻から否定されて会話が終了することが強いです。
もちろん、妻から「柔らかな感情の共有」がされることもありません。
そもそも、「柔らかな感情の共有」って難しいんです。
自分の感情の言語化、相手の心に届けるための冷静な伝達、そして素直に相手の気持ちを受け止めること。
言うのは簡単ですが、とてつもなくハードルが高いんです。
夫婦関係改善方法を発信しているぼくですら、いまだにうまくできず妻と揉めることがあるんです。
関係性がこじれているのなら、なおさら難しいはず。
そこで必要になるのが「専門家の第三者」の存在です。
パートナーの代わりに話を聴き、そこに寄り添い、心の奥の感情をやさしく掘り起こしていく。
自分でも気がつかなかった感情を言葉にするとき、涙が出る人は多いです。柔らかな気持ちを傷つけられるのではないかという恐怖心です。
夫婦二人だけの会話では、その恐怖を乗り越えることができず、怒りという感情で恐怖心をコーティングし、相手を攻撃します。
ですが、カウンセリングの場では、あなたを傷つける人はいないんです。
涙が出ることもあるかもしれませんが、カウンセラーが寄り添い、柔らかな感情を表出する手助けをしてくれます。
そして、相手にこう問いかけます。
「今のお話を聴いて、どう感じられますか?」
それは責めるわけでもなく、どうすべきかを問われているわけでもなく、ただ「 何を感じたか」、それだけを問われているんです。
謝罪の必要はなく、具体的な解決方法の提示も求められていない。
パートナーの心からの本音を前にし、自分の心がどう動いたのか。
ただ、それだけを問われているんです。
そして、自身の心の変化を言葉にしたとき、それが「パートナーの感情を受け止めた」ということになるんです。
どうでしょう?二人だけでやるには難しく感じますよね。
もちろんできる人もいるとは思います。ですが、絡まった糸のような関係性の場合、自分たちだけでそれをほぐすことはとても難しいはずです。
2本の糸が複雑に絡まり合い、なぜこんな想いを抱くのか、いったいどうすればこの糸がほぐれるのか、検討もつかなくなります。
そこに心理の専門家が間に入り、二人の感情をつなぐ手助けをしてくれる。
「柔らかな感情の共有」ができたという「体感」が体に残り、二人は少しずつ、自分たちでも糸をほぐすことができるようになっていく。
できたという体感、それが二人が自分たちの関係性を見つめる力の源になるんです。
夫への愛を見失った。妻への愛は消えてしまった。
もし、そう思うのだとしたら、もしかしたらそれは、心の奥底に愛が埋もれているだけなのかもしれません。
二人だけでは掘り起こすことが困難なほどの奥底に。
それから、「柔らかな感情の共有」は世帯経営ノートでもできるとおもいます。ぼくら夫婦がそうでした。
カウンセリングや世帯経営ノートといったツールの価値は、自分たちだけでは実践することが難しい「柔らかな感情の共有」をアシストしてくれることです。
心の奥底に埋もれているパートナーへの感情を、その柔らかな気持ちを、言葉にしてみませんか?
それはとっても怖い体験だけど、ふたりの距離を信じられないほど縮めてくれる体験にも、きっとなるはずです。
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