バジル栽培は虫との戦いである。にっくき夜盗虫とどう戦うか?
去年の夏、ぼくは狂ったようにバジルを栽培していた。
バジルはどんどん増殖していき、気づけば4つのプランターでバジルを栽培していた。
春の終わりから秋の始まりまで、ぼくはせっせとバジルを作り続け、そして妻に数えきれないくらいのバジル料理を振る舞った。
そのバジルは、ぼくに心の安らぎと、妻との幸せな食卓を与えてくれた。
ジェノベーゼパスタは数え切れないくらい作った。
余ったジェノベーゼソースを茹でたジャガイモにあえても美味しかった。
朝ごはんのジェノベーゼトーストも美味しかった。
これは、妻からの評価が高かったジェノベーゼリゾット。
バジルソースを使った美味しい料理をたくさん楽しんだわけだけど、バジル栽培とは「虫との戦い」でもあったのだ。
これほどまでに虫に悩まされ、虫と戦い続けることになるとは思わなかった。
途中でバジルじゃなくて虫を育てているんじゃないかと思ったくらいだ。
今日は、去年の虫との戦いを振り返りつつ、今年のバジル栽培の作戦を立てていきたいと思う。
「今年は、お庭でバジル栽培をしようかなー」
と、思っているそこのあなた。
きっとあなたも、想像を上回る虫との戦いを強いられるはずです。
この記事が、そんなあなたの参考になれば嬉しいです。
コバエとミミズとの戦い
「美味しいバジルがいっぱい収穫できて、バジルソースも山ほど作れて、バジル栽培って楽しそう!」
と、バジル栽培を始めるまではルンルン気分だったのですが、初めてみて気がつきました。
バジル栽培って、虫との戦いなんですよね。
いかに虫を寄せ付けないか、いかに虫を効率よく退治するか、ひたすらそれを考え続けていました。
同時に育てていたイタリアンパセリは、完全に芋虫の住処になってしまい、芋虫を育てているだけのプランターになってしまいました。
芋虫のためのサラダバー状態です。
でも!バジルは工夫次第でなんとかなります。
最終的に、こんなにたくさんのバジルの葉が、週に一回は収穫できたのです!
大量に収穫して、大量のバジルソースを作りました。
バジル栽培を始めたばかりの頃、ぼくは日が当たる小さな庭で育てていたんです。
家庭菜園といったら、庭でするもんだと思っていたんですよね。
でも、これが大きな間違いだったんです。
次第にバジルの周りにコバエがブンブン集まってくるようになりました。気分が悪くなるくらいコバエが集まってくるんですよ。
まさか、バジルにコバエが集まってくるなんて想像しないじゃないですか。
まるで、手入れがされていない公衆トイレのようにコバエが集まってくるんですよ。
コバエを取る粘着シートも買ったのですが、そんなものまったく効果がありませんでした。
小さなポットの中に甘い汁が入っていて、コバエがそこに入り込むタイプのコバエ撃退グッズも試したのですが、雨の日にポットの中の甘い汁が溢れかえり、かえってコバエを呼び込み、大量のアリも発生して、収穫前にすでに心が折れそうになっていました。
(いったい、なにが原因なんだ!?)
頭を抱えたぼくは、ネットで「バジル コバエ」でググったところ、風通しの悪い場所がいけないと書かれていました。
庭に目をやると、そこは四方を周りの家に取り囲まれた「完全なる密閉空間」だったのです!
風なんてほとんど入ってこない!
風通しが悪すぎる!
急いで、風通しのいい玄関にプランターを移動させたら、あっという間にコバエはいなくなりました。
コバエ対策には「風通しのいい空間」が一番効果があったんです。
家庭菜園だからと言って庭で育てるんじゃなくて、家の中のどこか風通しがいい場所を最初から選んだ方がいいです。
最終的に、ぼくは玄関とベランダの二箇所でバジルを栽培していました。
玄関でバジルをいじっていると、ご近所さんとも会話が生まれて、なかなか楽しかったですよ。
ちなみに、風通しの悪い庭のプランターのあった場所には、大量のミミズが発生していました・・・
夜盗虫との戦い
次に悩まされたのは、夜盗虫(よとうむし)です。
芋虫のような外見で、昼間はプランターの土の中で眠っていて、夜になるとノソノソと土の中から這い出てきて、バジルの葉っぱをムシャムシャ食べるのです。
夜中に葉を盗むので「夜盗虫」というそうですが、洒落た怪盗みたいな名前のとんでもないやつです。
こいつには、一番手がかかりました。まさに、バジルの天敵です。
逆にいうと、こいつさえなんとかすれば、美味しいバジルはいっぱい収穫できるのです。
にっくき夜盗虫の対策をネットでググったところ、こんなことが書いてありました。
「夜中に懐中電灯で照らしながら、一匹一匹を割り箸で捕まえて潰す」
3人の子供たちの子育てに追われているので、そんな暇なんてまったくないし、そんな体力も夜中に残っていません・・・
試しに夜中に夜盗虫を探してみたのですが、まったく見つかりません。
そして、朝になれば夜まであったはずの葉っぱが、夜盗虫によって食い散らかされている・・・
にっくき夜盗虫...!
あいつらは、真夜中のバジルバーパーティを勝手にぼくのプランターの中で、夜な夜な繰り広げていたのです。
ぼくが最終的に行った夜盗虫対策は、「プランターの虫を全滅」させ、なおかつ「外から入れない」作戦でした。
まず、プランター内の夜盗虫の退治ですが、色々薬を試しましたが、人体に大きな影響が出ない薬の中で、もっとも効果があったのはこちらでした。
「STゼンターリ顆粒水和剤」、こいつにはずいぶんとお世話になりました。
ぼくが大量のバジルを収穫できて、妻の大量のバジル料理を振る舞うことができたのは、こいつのおかげと言っても言い過ぎではありません。
収穫前日まで使える自然派農薬です。
水で薄めて霧吹きでシュッシュと葉っぱにかけるのですが、霧吹きがステイホーム中のガーデニングブームと消毒液用に買い占められていたので、しかたなくペットボトルに入れて薄め、ボトボトと葉っぱにかけていました。
雨が降らなければ1~2週間効果が持続するとのことでしたが、梅雨の時期にも夜盗虫はやってくるので、梅雨時は三日に一回くらい使っていました。
もし、屋根があるところで育てられるなら、梅雨時は屋根の下にプランターを置いておいた方がいいです。
そして、次は「外から入れない」作戦ですが、これにはネットを使いました。
ぼくが買ったネットはこれです。
商品名の通り、すっぽり覆うことができるのですが、下に隙間ができるんですよね。
ここから虫が入ってくるんじゃないかと思いましたが、意外にそうでもなかったようです。
ただ、昼間は日光に当てたいので外してしまっていて、それをしなければもっと被害は食い止められたかもしれません。
バジルは日光が大好きなので悩むところですが、視点を変えてみれば一種のビニールハウス栽培みたいなものなんで、日が当たる場所ならば問題ないかもです。
今年はずっとネットをかぶせる作戦で臨もうと思っています...!
芋虫との戦い
バジルが大きく育った夏の終わり頃から、プランターの土の中になにやら白い幼虫が大量に発生しました。
蛾の幼虫なのかカブトムシの幼虫なのか、なんなのかさっぱり分かりませんが、大事なバジルを食べられてはいけないと、ぼくはこいつを割り箸で毎日のように取り出しては捨てていました。
サイズが結構大きいんで、虫が苦手なぼくには辛かったんですが、その頃にはバジルの美味しさにハマっていたので、躊躇なく「なにかの幼虫」をせっせと駆除していました。
カビとの戦い
肥料ってあるじゃないですか?あれって固形と液体と粉末があるんですよね。
バジルの葉っぱが夏になると大きく育つのですが、途中でやたら細く硬くなってしまったんです。
調べてみたらどうも栄養失調だったようで、肥料をあげることにしました。
固形と液体と粉末の肥料、すべて試してみたのですが、固形はカビが生えてくるので絶対にやめた方がいいです。
梅雨時とか台風時とか、雨が多く降るタイミングは特にカビカビになります。
カビた肥料を土の中からほじくり出して捨てることになるので、本当にめんどくさいです。
他にも鰹節みたいなふわふわした肥料も使ったのですが、これもカビだらけになって、(もうバジル栽培を諦めようかな...)と心が折れそうになったほどです。
もうね、肥料は液体か粉末にしないとダメですよ。
ぼくは粉末のハイポネックスを使っていました。
かなり量があるので、去年のものがまだ残っています。
これは、なかなか効果があって、葉っぱも元気になります。ぼくはこれを定期的に使っていました。
今年の虫との戦い方
では、今年は虫とどう戦うかですが、まず初めから日当たりのいい玄関とベランダで栽培箇所を分散されます。
うちの中でもっとも日が当たるのはベランダなのですが、二階にあるため去年はなかなか手入れが難しかったのです。
でも、今年はそのベランダに面した部屋でリモートワークをしているので、いつでも世話をし放題!
ただ、風通しが心配なので、日当たりはいまいち(午後からしか日が当たらない)だけど風通りは抜群な玄関でも栽培し、様子をみようと思っています。
そして、にっくき夜盗虫対策は、今年も「STゼンターリ顆粒水和剤」を使います。
ネットも使う予定ですが、すっぽり覆うタイプは風で飛ばされてしまうことがあるので、プランターに棒を刺して網を覆うタイプを試してみようかと思います。
こういうやつですね。
(画像:楽天)
インターネットで買うと高いですが、ホームセンターならもうちょっと安いので、ホームセンターで探してみようと思います。
ちなみに、プランターをこれから買うなら、どうせこのネットは必要になるから一緒にまとめて買っておいた方が楽です。
肥料は「ハイポネックス 微粉」だけを使い、余計な肥料は与えずに、カビの発生を防ぎます。
あと、「切り戻し」という作業をぼくは去年やらなかったんですよね。
夏にわさわさ生えてきたときに、半分くらい上をバッサリ切るのが「切り戻し」なのですが、これをやると花を咲かそうとするエネルギーが葉っぱをわさわさと作るエネルギーに向かうそうで、よりバジルの葉をたくさん収穫できるようになるそうです。
せっかく育てたバジルを半分も切ってしまうのは、すごく気が引けるのですが、今年はチャレンジしてみようと思います。
とにかく、「虫とどう戦うか?」が、バジルの収穫量やバジル栽培のやる気に関わってきます。
この記事が、バジルを食い散らかそうとする虫と戦うあなたの参考になれば幸いです。
勝利の後のバジルの味は、きっと美味しいはず!
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