「クローズド」なコメント欄がリスナーとの親密なつながりを深めるという話。
2年半、ポッドキャスト(アツの夫婦関係学ラジオ)を配信しているのですが、最近少しずつコメントをいただけるようになってきました。
と言っても、アップルポッドキャストやスポティファイのコメント欄ではなく、ぼくが自分で作ったクローズドコメント欄です。
グーグルフォームで作りました。こんな感じです。
ポッドキャストコメントの王道は、スポティファイなどプラットフォームへの書き込みや、ツイッターなどSNSへの誘導です。
なぜなら、コメントが「見れる口コミ」となり広告の役目を果たしてくれるから。
「よろしかったらシェアお願いします」とよく言いますよね?ぼくも初期の頃、よく言っていました。
でもね、全然シェアされないんですよ。ポッドキャストって。
あぁ、この番組、需要がないのかな?これを聴いてみんなどう感じているんだろう?
と、よく悩んでいたんです。今でも10日に一度は続けていく自信が消えそうになることがありますが、当時は毎日のようにそう感じていました。
ですが、つながっているリスナーさんと話すうちにわかってきたことがあるんです。
それは、ポッドキャストはクローズドな場所でシェアされているということ。
例えば、夫婦関係に悩む女性が夫にLINEでぼくの番組をシェアしたり、逆に夫が妻にシェアしたり。
驚いたのは、夫が気持ちを理解してくれなくて困っていた女性が、ぼくの番組を夫にLINEで送って聴いてもらったら、やっと気持ちを理解してくれたという話です。
「夫婦間」というめちゃくちゃクローズドな場所でシェアされている。
これは何かというと、ぼくのポッドキャスト(それとも、ポッドキャスト全般?)に関する思いは、オープンな場所では話しにくいということです。
ということは、クローズドな場所ならうまくのではと思い、グーグルフォームでコメント欄を作ったのですが、これが正解でした。
掲載許可を頂いたコメントをいくつかご紹介しますね。コメントをくださった方、本当にありがとうございます!
他にもコメントを頂いており、ポッドキャストの中でコメントのご紹介とお返事をさせていただいています。
気がついたんですが、これって、コメントじゃなくて「お便り」なんですよね。配信者とリスナーが一対一でつながる手紙のやり取りなんです。双方向性があるんです。
一方で、プラットフォームのコメント欄は一方通行であり、双方向性がない。
プラットフォームにコメントを書き込むということは、ぼくと一対一でつながるのではなく、一対多でつながることを意味します。
ぼくだけでなく他の人も見ることができますから。ここに一対一の親密性は生まれないんです。
それにぼくの番組の特性上、感想を見知らぬ誰かに読まれるのは、ものすごく心理的リスクが高いんです。
夫婦間において傷ついた心を素直に伝えてくださっているので、オープンな場所で知らない人間から心ない返事を書かれてしまったら、ものすごく傷つきますよね。
SNSやプラットフォームにコメントを書くという行為は、勇気を必要とする行為だということに気がついたんです。
ポッドキャストならば、コメントを番組内で読み上げ、ぼくがお返事を直接お話しします。そこに第三者が入ることはなく、完全にぼくとその方との世界です。
心理的安全性が担保されているから、ぼくしか読めないグーグルフォームにご感想を書いていただけるんだと思います。
即時的レスポンスが可能なオープンな場所(ツイッターなど)は告知には便利だけど、自分の柔らかな気持ちを共有することには向いてない。
柔らかな気持ちは、誰にも傷つけられることのない場所でのみ、伝達が可能となる。
そして、誰も間に入ることができないからこそ、ぼくら(ぼくとお便りをくださった方)の間に強い親密感が生まれる。
その親密感がリスナーに番組への愛情を育み、ぼくには番組継続のモチベーションを授けてくれる。
これはオープンな場所では絶対にできなかったことです。
ぼくら以外に誰も入り込めないクローズドな場所だからこそ、うまくいったんだと思います。
ポッドキャストはリスナーと深いところで繋がる。その深度と暖かみはブログとは全く違う。
そんなことをしみじみと感じた出来事でした。
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