夫婦の親密性を育てる”ギブ&テイク”のバランスとは?
夫婦なんだからこれぐらいやってくれて当たりまえ。
夫婦なんだから、ギブアンドテイクで物事を考えるのはおかしい。
そう思ったことはないでしょうか?
夫婦関係の悩みをお聞きしていると、こういった話を聞くことが多いです。
実際に口にする方もいれば、無意識にそう感じている方もいると思います。
ですが、明治学院大学心理学教授である野末武義さんは、著書「夫婦・カップルのためのアサーション」の中でこう書かれています。
関係性が良好な夫婦が行なっているギブ&テイクとは、どういったものなのか?
なぜ、ギブ&テイクのバランスが取れていると、夫婦関係は安定するのか?
今回の「アツの夫婦関係学ラジオ」では、「夫婦・カップルのためのアサーション」をもとに、夫婦のギブ&テイクについてお話ししました。
この記事ではポッドキャストの簡単なまとめを書いています。ぜひ、番組も合わせて聴いていただけると嬉しいです。
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バランスが取れたギブ&テイクとは、自分がパートナーから大切にされ、愛されていることを実感しており、また自分もパートナーを大切にしようと日頃から小さな努力を積み重ねていることを指します。
お互いに相手を大切にし、その感情をお互いが実感しているということですね。
そんな夢物語みたいなことあるわけないでしょと思うかもしれませんが、ぼくは結婚11年目にして、やっとそのバランスを取れるようになってきた気がします。
子どもが小さかった頃は、とてもそんなバランスを取れず、どちらかが相手に対してバランスの悪さを感じていたように思います。
妻はぼくが妻の感情に寄り添わないことに不満を感じ、ぼくは経済的なプレッシャーや仕事のストレスを妻に共有できない苛立ちを感じていました。
日常生活の中でぼくらはお互いに支え合っていたはずですが、その小さな努力を見出すことはせず、ただいつも「何かが足りない。私ばかり」と思っていたんです。
なぜ、多くの夫婦は「ギブばかりでテイクが足りない」と感じるのでしょうか?
そこには三つの原因があると思います。
一つは相手のギブが見えていないこと。
掃除、洗濯、料理、子どもの相手、それに仕事。
日常生活を構成する要素はたくさんあり、夫婦がそれぞれを分担して生活を支えています。
ただ、それぞれの要素はさらに細かな要素によって支えられており、そのあまりの微小さによって、相手のギブが見えなくなることがあります。
料理一つを取っても、冷蔵庫の残り物をチェックし、必要なものをリストアップし、献立を考え、買い物をし、料理をし、食事のあとは皿洗いがあります。
だけど、家に帰ったぼくら夫が目にするのは出来上がった料理だけであり、その目の前の料理を作り上げるための小さな努力の数々は目に入りません。
また、仕事で言うならば、仕事から疲れて帰ってきた夫がソファーに沈み込むように倒れたとき、「家事育児をせず、家庭を支えてくれないダメな夫」と感じる女性もいるでしょう。
責任感の重い仕事を背負うことになった重圧、家族を養わなければいけないというプレッシャー。そういったものは目に入りません。
このように相手からのギブがあまりに小さかったり、目に見えない場所にあると、ぼくらは「自分ばかりがギブしている」と思いがちです。
二つの原因は「精神的なギブがないこと」です。
子育てをしたり、家事をしたりといった目に入るギブではなく、ありがとうと感謝を伝えたり、お疲れさまと相手をいたわったり、精神的に相手をケアするようなギブがないために、「自分ばかりが頑張っている」とぼくらは思いがちです。
三つ目の原因は「自分のギブを大きく見積り過ぎている」です。
これは、実は目に見えない大きなギブが存在するにも関わらず、そこに気がつくことができず、相手からのギブを小さいものであると錯覚していることが原因です。
相対的に自分のギブを大きく捉え過ぎているんです。
家事で言うならば、先ほどの料理がいい例です。
目の前の料理が出来上がる前にどういった工程があったのか、その全体像が把握できていないのです。
その全体像を理解できるようになると、目の前の小さく見えるギブの後ろにある大きなギブがうっすらと見えるようになります。
男性がそれができるようになるには、長期間(できれば3ヶ月以上)の育休がおすすめです。
妻を休ませ、家の中のことをすべて一通りやってみると、家庭の全体像がいかに大きなものであったかが理解できます。
ぼくも3ヶ月の育休を取って、やっと家事育児の全体像を掴むことができました。
今から育休を取ることが難しいならば、一日二日程度、妻を実家などに帰らせたり、友達と旅行に行かせて、家事育児をすべて体感してみるのがいいと思います。
いかに自分が見ていた世界が小さなものであったか、理解できるようになります。
男性からのギブが小さく見える場合は、その男性がやっていることについて、根掘り葉掘り詳しく聴いてみるのがいいと思います。
男性は辛いことを自分から口に出せないので、苦労話をなかなか話しませんし、話すことを恥だと思っています。ぼくもそうです。
夫の行動の背景に何があるのか、それが理解できれば、夫のギブが小さすぎるとは思えなくなるはずです。
ただ、何をギブと感じるかは人それぞれです。
ぼくも良かれと思ってやったことが実は見当違いであり、「そこじゃない」と妻に言われたことが何度もあります。
自分のパートナーは何をギブと感じるのか?
この問いを常に頭の中に置いておくといいです。
それは言い換えるならば、パートナーは何を幸せと感じるか?でもあります。
自分のパートナーの幸せを知ろうとする行動の先に、ギブ&テイクのバランスがあるのです。
ポッドキャストではより詳しくお話ししています。ぜひ、下のリンクからお聴きください。番組もフォローしていただけると嬉しいです!
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#468 夫婦の親密性を育てる”ギブ&テイク”のバランスとは?
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