夫婦の絆を作る5つの魔法の言葉。
「夫から大切に扱われている気がしない」
「妻から必要とされている気がしない」
もし、そう感じることがあるならば、それはふたりの間に”愛着関係”がないからかもしれません。
どちらかが悪いというものではなく、あなたとパートナーの関係性が生み出す”愛着の不在”が原因かもしれません。
今回のアツの夫婦関係学ラジオでは、前回に引き続き、臨床歴25年の臨床心理士である上遠さんに出演いただき、夫婦はどうやって愛着関係を築けばいいのかについてお聞きしました。
夫婦を繋ぎ止めるものは、恋愛ではなく、愛着。
では、夫婦はどうやって愛着をはぐくんでいけばいいのか?
この記事では、上遠さんにお話を聞き、ぼくが感じた気づきや、簡単なまとめを書いています。
ぜひ、ポッドキャストとあわせてお読みください。
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◇
前回の記事はこちら。
親子の愛着関係は一方通行(親から子へのケア)ですが、夫婦の愛着関係はお互いにケアし合うものであり、それは”成人の愛着関係”と呼ばれているそうです。
夫をケアしてばかり、妻をケアしてばかりでは、かたよりが出てうまくいかないですよね。
ですが、実際の夫婦生活ではかたよりが生まれることもあるし、もう恋愛感情もないし、そんな気になれないということもあると思います。
ぼくらもケアのかたよりが生まれることがあります。昔はもっとひどかったです。
夫婦って距離がものすごく近いから、相手に対して甘えてしまうことが多いんです。
本人は(もちろんぼくも)甘えているつもりなんてないんですが、他の人から見たらきっとそういう風に見えるし、妻もきっとそう感じていたと思うんです。
こいつ、甘えてるなって。
その甘えをこじらせると、相手に対して論理的に食ってかかったり、相手の感情を無視することにつながっていくんですが、なんでこんなことになるんでしょう?
誰も自分から望んでパートナーとケンカなんてしたくないですよね?
気がついたらそうなってたってことは多いと思います。ぼくもそうです。
上遠さんは「夫婦関係には排他性がある」と言いました。
「この人じゃなきゃだめ」という排他性が。
自分の妻の代わりは他にいないですよね。ぼくも妻だからこそ分かって欲しいことがたくさんあります。他の人じゃダメなんです。
ぼく自身も気がついてなかったけど、実は、ぼくにとって妻はものすごく特別な存在なんです。
これって、お互いに気がついてないと思うんです。
自分の言葉や行動が、相手に大きなインパクトを与えているってことを。
ぼくの言葉は妻にインパクトを与えるし、妻の言葉もぼくにすごく大きなインパクトを与えている。
これが他人から言われた言葉だったら、なんとも思わないんですけどね。
(知らんがな)とか(変なこと言ってるな)で済ませるけど、妻だからこそ、気になってしまうと思うんです。
「自分は相手にとって特別な存在であり、相手も自分にとって特別な存在である」
この言葉はポスターにして、ぼくら夫婦の寝室に貼っておきたいくらいです。
でも、なかなか相手を気にかけられないことってあると思うんです。
◇
つい妻の言葉にカッとなって、理屈でやり返してしまった経験がある人は、ぼくだけじゃないと思うんですね。(そして、妻がぼくの言葉にカッとなって理屈でやり返されたことも)
論理的な対応をしてもふたりの気持ちがおさまるわけないのに、なぜかやってしまいますよね。
これって、「夫婦関係が情緒的で感情を揺さぶられる関係」だからだそうです。
確かに、妻にはものすごく感情を揺さぶられるし、妻もぼくの言葉に揺さぶられています。
感情を揺さぶられると、自分の中に不安や悲しみが生まれるんだけど、それを受け入れるのって辛いですよね。
辛いから、つい理屈や怒りで反応しちゃう。ぼくもそうです。
でも、理屈を並べたり、怒ったりするのは辛くないですよね?
それに、怒ることで相手が静かになって、言うことを聞いてもらえたような気にさえなってしまう。
だけど、夫婦関係に必要なのは”情緒”であって、”論理”じゃないんです。
ぼくらは、つい”論理”で夫婦関係をなんとかしようとするけど、使っている道具が間違っているんです。
本当に必要な道具は”情緒”なんです。
そして、それこそが”愛着”なんだそうです。
だけど、感情って目に見えないですよね。つかみどころがないし、どうしていいかわからないことって多いです。
◇
上遠さんは、お互いを傷つけ合う夫婦を前にして、こう言うそうです。
「わたしは愛着のレンズをかけて、おふたりを見ています」
相手を批判したり、理屈を並べてやり込もうとしているけど、その言葉の裏には、その胸の奥には、別の言葉が隠されているんですよね、と。
そういった”柔らかな気持ち”が、胸の奥には隠されていると。
愛着のレンズをかければ、どんな言葉の裏にも”柔らかな気持ち”が隠されていることがわかるのだと。
この愛着のレンズをかければ、夫婦喧嘩になりそうになっても途中で引き返せそうですよね。
ただ、冷静になれないと難しいかなとも思います。
冷静に相手の柔らかな気持ちを受け止めるためには、まずは、自分自身の心の奥にある柔らかな気持ちの存在に気がつくことが大切だそうです。
パートナーからなにか言われてカッとなったら、まずは自分が「カッとなる」という「反応」をしていることに気がつくということも。
喧嘩の最中には冷静になれないと思うから、喧嘩のあとに振り返るといいですね。
頭で考えるんじゃなくて、首から下で感じるんだそうです。夫婦は”情緒的な関係”だから、頭で考えることに意味がないからです。
これはぼくもしょっちゅうやってました。つい、理屈で「どうすべきか」と考えてしまうんですよね。その方が問題の解決ができるような気がするから。
でも、問題の解決の前に、ぼくらふたりの”感情の問題”を解決させないといけないんですよね。
これは盲点でした。
感情の問題を解決させるためにはどうすればいいのか?
自分の気持ちを感じられたり、パートナーの感情に寄り添えるにはどうすればいいのか?
これって、言うのは簡単だけど、実行は難しそうですよね。
最後に、上遠さんからいただいたヒントを書いて、この記事を終わろうと思います。
人がパートナーに求める愛着感情は次の5つしかなく、それはどんな人にも普遍的なものなんだそうです。
この5つの根本原理を理解していれば、夫婦喧嘩になっても(あのとき、あの人はこう思っていたのかな)と振り返られるようになるそうです。
なんだか魔法の言葉みたいですよね。5つだけなら覚えられそうです。
ポッドキャストでは、より詳しく、より深く、お話をしていますので、ご興味あるかたはぜひ聴いてみてください。
それから……。
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■アツの夫婦関係学ラジオ
#440 夫婦はどうやって”愛着関係”を築けばいいのか?【ゲスト回:臨床歴25年上遠文恵さん】
※「アツの夫婦関係学ラジオ」は毎週月曜木曜の朝5時配信です。
ご出演いただいた上遠さんのカウンセリングルーム(オフィスY)のホームページはこちらです。